正確な統計はありませんが、投資は8割の人が負ける厳しい世界と言われています。短期的には簡単に儲けられるかもしれませんが、長期で勝ち続けることができる投資家は非常に少ないです。
今はまだアベノミクスで上昇相場のおかげで儲けている投資家は多いかもしれませんが、下落相場に突入すると状況が一変します。
ちなみに2016年は最終的には上昇相場でしたが、6割の投資家がリターンをプラスにすることができませんでした。
投資は上がるか下がるかの2択しかない単純な世界にもかかわらず、多くの投資家が勝てないという不思議な世界です。上がるかどうかを予想するために、会社の決算書や業績予想を十分に行っているはずです。
株式市場で個人投資家が勝てない理由をまとめてみました。
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投資手法を確立していない投資家は負ける
資産を増やしていくためには、投資の戦略を決めておく必要があります。なんとなくで売買をしていると、そのときどきの感情で判断してしまうため資産を減らしていくことになります。
投資で勝つためには、できるかぎり感情を排除する必要がありますが、そのときに必要なのが投資戦略です。
戦国武将が敵と戦うためにその場その場で戦い方を決めていたら必ず負けます。相手の強みや自分の戦力を分析し、状況に合わせて戦略を組み立てますよね、それと同じことが株式投資でも求められます。
投資手法を確立しさえすれば必ず勝てるというわけではありませんが、それさえしていないということは、日々一貫性のない非合理的(感情的)な感覚で売買をしていることになります。
投資において「感」ほど怖いものはありません。感と思いつつも、大衆の心理で動いているので、投資の世界では上級者のカモになってしまいます。
売買を繰り返すことによって、自分に合った適切な売買方法が確立してきます。損したり失敗した理由を考え、同じ失敗をしないために投資手法が何度も何度も修正されていきます。
基本的には一度決めたルールを守る必要がありますが、投資法を勉強したり自分の資産に合わせてやり方を変えていく必要があります。
まずはどういう基準で売買する必要があるのか、文章に書き起こす必要があります。文章に書き起こすことで頭の中が整理されていきます。
売買の記録を付けない投資家は負ける
投資手法が確立していない個人投資家の多くは、売買記録や、現在の資産の状況を記録していない人が多いです。
トータルで買っているか負けているか、どの銘柄で得をしたのか損をしたのか、購入してからどれくらいで利益がではじめたのかなど、これらの情報は投資戦略を見直す上で必ず必要な情報になってきます。
過去の記録がないということは、過去にさかのぼって失敗を学ぶことができなくなってしまいます。どの分野でもそうですが、アスリートなどプロの世界で結果を出し続ける人は、ノートに試合の内容や反省点を記録している人が多いです。
過去から失敗を学ばずに、厳しい勝負の世界で勝つことは不可能です。まずは、株の売買記録と毎月の銘柄ごとの損益を記録していく必要があります。
これらは分析して未来を予想するために必要なのではなく、過去の失敗経験から学ぶために必要になります。
売買コストを意識していない投資家は負ける
個人投資家のブログを読んで思うことですが、資産を増やすことに成功していない投資家は、すこし売買コストに対する認識が弱いように感じます。
売買コストをあげてしまうと、より高いリターンを出す必要があります。より高いリターンを狙いにいくと、投資の世界では大概負けてしまいます。
売買コストは少ないにこしたことはありません、これを意識しないと利益を出すことに常に重力が掛かっているような感覚になります。
株式で利益を確定した場合に掛かる税金は、所得税「15%」と地方税「5%」で合計「20%」の税金を支払う必要があります。これは利益を確定した時に、自動で引かれるためほぼ強制で支払うことになります。
→法人にすると自分で計算する必要がありますが
ここで重要なことは、利益を得た場合税金を取られますが、損をしても損金を回収できないということです。儲けた時だけお金を取っていかれるので、繰り返し売買していると、買っている時は20%分取られるて利益を圧迫し、負けた時はそのまま負け分が消えてしまいます。
頻繁に売買している投資家にとって利益の20%も税金で取っていかれるとそれなりの痛手になります。
例えば、100万円投資して1ヶ月後に20%上昇し、120万円で売却した場合、4万円の税金が掛かるので最終的な儲けは116万円です。そうすると、その銘柄の運用結果は20%から16%に大幅に引き下げられます。
これを毎月複数銘柄で売買を繰り返せば、たとえ儲かっていたとしても利益は圧迫されていきます。
頻繁に売買を繰り返してると、証券会社に支払う手数料も増えてきます。
株式投資では不必要な売買を極力避ける必要があります。売買コストほど無駄なものはありません。入場料が1000円のカジノで博打をするか、1万円のカジノでするかは悩むに値しない問いです。
こうした事実を考慮すると、投資戦略も自然と長期投資に向かいます。
人の意見に流されやすい
仕事でもなんでもそうですが、投資をする上で自分の意見を持つことはとても重要です。証券会社の営業マンから勧められたとか、知り合いが買ったからとか、そういう理由で銘柄を選択することも避けるべきです。
こういう投資の仕方をしていると、高値で株を買い安値で売ることになります。誰かが勧める銘柄は、すでに値上がりしている可能性が高いからです。
またこのやり方で儲けたときは自分は賢いからだと思い、損をしたときは相手の責にしてしまいます。相手の責にしてしまうと失敗から学ぶという姿勢を忘れてしまいます。
株を買うということは、自分の時間を犠牲にして必死に労働して稼いだお金を使うことになります。その大切なお金を使うときに、軽い気持ちで投資をするのは辞めた方がいいです。
仕事でも投資でも何でもそうですが、しっかりとした自分の軸を持つ必要あります。投資という厳しい世界で生きていくためには、周りの意見に流されない強い意志が必要になります。