業績回復株はリスクが低く確実に儲かる理由

業績回復株に投資するとは、わかりやすく言うと、「逆張り投資」+「長期投資」のことを指します。この投資手法は、比較的リスクが低く、また一番儲かりやすい方法です。合理的に行動し、やり方さえ間違わなければ、数年後には必ず大きく儲けることができます。

 

 

逆張り投資について

 

逆張りについては、以下の著書でわかりやすく説明しています。

 

小林正和
「株は逆張りがおもしろい」

 

著者は、1961年から経済記者、証券営業を経て株式評論家として独立し、50年以上にわたって投資の世界に携わっています。その間、個人投資家や経済誌、証券専門紙の読者、証券会社の顧客、投資家養成学校の生徒と接してきました。

 

多くの投資家と接してきた著者によると、中には玄人負けの好成績をあげる個人投資家がいるようです。

 

その投資家の特徴は、「人気株に業績の一時的悪化や悪材料が出て高値から何分の1かに値下がりした後をじっくり買い下がって、業績の好天や好材料出現を待つという長期投資をする人」と述べています。

 

この方法だと、買い下がっていく過程で平均単価が引き下がり、株数が増えて行くので、一旦株価が底を打って反転したときに、急激に資産が増大していきます。

 

また、業績が回復するにつれて配当が復活する可能性もあります。つまり、株価暴落時に安値で買うことで、配当を得る権利を格安で購入することができます。

 

しかし、言うは易しですが、実際に行動することはとても難しい手法でもあります。業績が悪化して、常に悲観的なニュースが流れている中で買い支えることになるので、精神的ストレスがかかってきます。

 

最初は大きな失敗をするかもしれませんが、この手法で投資を続けていくと、経験値があがって徐々にリスクの少ない投資手法を確立できます。

 

プロと同じ土俵で戦わない

 

業績回復株の投資は、企業研究する投資対象が少ないという利点があります。また、プロの機関投資家が参入できない分野でもあります。

 

もし、あなたがプロの投資家ではないなら、機関投資家との競争は極力避けるべきです。日中別の仕事で生計を立てている場合、機関投資家に比べて得られる情報量は圧倒的に少ないはずです。限られた時間の中で、3500社以上ある上場企業の「賃借対照表」、「損益計算」、「キャッシュフロー計算書」を読み込むのは至難の技です。

 

プロのファンドマネージャーやアナリストは、一日中これらの情報を分析しています。

 

業績回復株であれば、ニュースに出るような大きな問題を抱えて、低迷している企業は年に数10社程度です。これらに絞って、企業分析をすればいいだけです。

 

問題を抱えた企業は、格付け会社から大きくランクを落とすことになるので、投資対象が厳しく設定されている投資会社は、組織のルール上、その株を持つことができなくなります。投資会社が再びその株を買えるときは、問題を解決して株価を戻した時だけです。

 

分散投資をしない

 

ちまたに流れている投資の著書や雑誌を見ると、分散投資をすることを勧めていますが、業績回復株で勝負するのなら、分散投資はなるべく避けるべきです。

 

世界一の投資家、ウォーレン・バフェットも分散投資を以下のように否定しています。

 

「分散投資は無知に対するヘッジだ
 自分で何をやっているかわかっているものにとって

 分散投資はほとんど意味がない」

 

業績回復株に投資をすると、下げ相場でも平均単価を下げるために、買い支える必要があります。そのときに銘柄が複数あると、大量に資金を必要とします。多くの個人投資家にとって、毎月の給与から資金を捻出するので、保有する銘柄が多いと買いたくても買えない状況に陥ります。

 

分散投資でリスクヘッジというと聞こえはいいですが、業績回復株であれば、単に儲けを小さくするだけで、得はありません。

 

余計なコストを払わない

 

業績回復株は、長期保有を前提にしています。一時的な問題が起きても、数年後には問題を解決して元の株価に戻り、配当も復活することを期待しているからです。

 

長期保有は、株式投資にかけるコストを圧縮することができます。売買におけるコストは無視できないほど、大きくなっています。余計なコストを払ってしまうと、資産が増えるペースは減退します。

 

具体的にいうと、「株を売買する手数料」「キャピタルゲインに掛かる税金」です。短中期で売買している投資家は、このコストを余計に支払っています。

 

例えば、マネックス証券を使って売買した場合、10万円の取引で「100円」、30万円で「250円」、50万円で「450円」、100万円で「1000円」の売買手数料が掛かります。

 

デイトレーダーが、30万円の取引を1日10回繰り返せば、1日のコストは「2500円」、一月の営業日20日分繰り返せば「5万円」、一年繰り返せば「60万円」になります。

 

賢明な投資家であれば、この「60万円」は再投資して、資産を増やすべきです。

 

また、株が値上がりするとすぐに売ろうとする投資家がいますが、値上がりしたことによって得たキャピタルゲインには、税金を支払う必要があります。

 

所得税「15%」と地方税「5%」を足して、合計「20%」の税金がかかります。100万円の利益を出した場合は「20万円」が、1000万円の場合は「200万円」取られてしまいます。

 

無駄に売買を繰り返すよりも、長期保有で投資することによって、売買コストを圧縮することができます。