業績回復株タカタに復活の兆し!?2ヶ月で350円から1200円の急上昇

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持ち株のひとつ、タカタの株価が急騰しています。11月には350円しかありませんでしたが、わずか2ヶ月で1200円まで上昇しました。なんと342%の上昇です。

 

これだけ上昇してもPERはまだ4倍と超割安水準です。

 

2016年の年末から年始、3日連続ストップ高になりました。業績回復株はトレンドが変わると一気に上昇するのが特徴です。

 

自分が所有する株でこれほど短期間で上昇するのは見たことがありません。こんなことはもう2度と見れないかもしれません。

 

 

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なぜタカタのPERが4倍しかないのか?

 

タカタとは、自動車メーカー向けにエアバッグやシートベルトを製造している会社です。自動車の安全部品で世界2位を占めるほどです。
→ジャパネットタカタではありません。

 

実はこの会社はエアバッグ問題で倒産の危機が噂されている企業です。

 

2013年あたりから、タカタのエアバッグには問題があると米国安全局から指摘されるようになりました。問題が深刻してきたのは2014年です。米国安全局はタカタのエアバッグで死亡事故が起きたと発表しました。

 

ここから一気にタカタの株価は急落します。

 

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なんと2014年に3000円を超えていた株価は1250円、2016年には300円まで大暴落します。当然、業績回復株を専門にしているわたしは、タカタの動向をチェックするようになりました。

 

タカタのエアバッグは世界シェア2位を占めるほど、日本の自動車メーカーだけでなく、海外の自動車メーカーも使用しています。米国安全局が発表するリコール対象は、なんと1億台以上、金額にすると総額2兆円と見積もられています。

 

これ以外でも、事故にあった人からの損害賠償金、米国安全局への賠償金も発生します。

 

タカタの時価総額は300億円、資本金も1400億円、純利益は100億円程度の会社です。世界第2位のシェアといっても、ただの自動車部品を製造するメーカーです。時価総額20兆円、純利益で2兆円を超えるトヨタとは違います。

 

今はリコール費用を各自動車メーカーが負担しています、たとえばホンダはリコール費用として7000億円計上しました。もし自動車メーカーが、時価総額が300億円しかないタカタに費用を計上したら、タカタが債務超過で倒産すると言われています。

 

これが、タカタのPERが割安で放置されている理由です。

 

タカタは本当に倒産するのか?

 

2兆円の潜在債務があると言われているタカタですが、だからといって簡単に倒産しないのが株式投資のおもしろいところです。

 

タカタの悪いニュースがニュースに出るたびに、早くツブレロとか、なんで倒産しないのかとか、日本の恥だ、というコメントがたくさんありました。

 

普通に考えると、信用をなくした自動車メーカーは、タカタとはもう取引をしないと考えるのが普通です。しかし事態はそれほど単純ではありません。

 

過去3年間のタカタの決算をみてみます。

 

Yahooファイナンス

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売上高と本業の儲けを示す営業利益は上昇しています。営業利益は3年で2倍近くまで事業を急拡大です。さすがに純利益は下がっていますが、これは賠償金やリコール費用を計上しているからです。これはリコールに対応するために、タカタが急ピッチで製造して、自動車メーカーに販売しているからでしょう。

 

タカタのエアバッグを使うなと非難する人は多いですが、自動車の部品とはプラモデルを組み立てるのとは違います。簡単に付け替えられるほど取り替えがきくものでありません。だからこそ、日本の自動車メーカーもタカタのエアバッグに一極集中しました。

 

倒産危機といわれていますが、それでも自己資本比率は27%あります。まぁ自動車メーカーがリコール費用を計上したら債務超過になるので、資本比率はあまり意味がありません。

 

わたしは以下の理由で自動車メーカーはタカタを潰さないだろうなと判断し、参入することに決めました。

 

①タカタが倒産すると一番困るのは自動車メーカー
②あまりにも理不尽な米国安全局の対応
③エアバッグ事業を辞めても利益がでる

 

タカタが倒産して一番困るのは、間違いなく自動車メーカーです。タカタが無理だからじゃあ他のエアバッグに取り替えようとはできません。タカタから100万台受注していたけど、来年から違う会社に100万台受注しようとはなりません。製造会社にはとうぜんキャパシティというものがあります。もちろん、今回の教訓を得て自動車メーカーは、エアバッグの受注先を分散させますが。

 

タカタが破産申請を出した場合、リコール費用はすべて自動車メーカーが負担します、また米国安全局の矛先が向くのは自動車メーカーになります。そう考えると倒産は100%ありえません、怖いのは100%減資して株券を紙くずにする可能性です。

 

しかし、これも同族会社(家族経営)の大株主であるタカタが株券を紙くずにする可能性も低いのかなと思っています。
→これはいまだに可能性が消えていません。

 

あまりにも理不尽な米国安全局の対応

 

正直なところ、大切な人命が奪われている、といえば聞こえはいいですが、それほど重大な問題ではありません。米国安全局はエアバッグ問題で最大1億2000万個のリコール対応を検討しています。たいして、アメリカで死亡事故が発生したのは10件前後です。
→死亡事故の9割がアメリカです

 

これを確率で表すと以下のようになります。

 

タカタ事故、1200万分の1
8億ロト7、1029万分の1
5億ジャンボ、1000万分の1
飛行機事故、9万分の1

 

タカタのエアバッグで死亡する確率は、8億のロトに当選するよりも高いのです。自動車メーカーも非難されたくないので言わないだけですが、米国当局の対応を冷ややかな目で見ています。

 

タカタはホンダと共同開発したエアバッグを製造して、いままで多くの命を救ってきました。社会的にとても意義のある会社です。あるとき「タカタのエアバッグは殺人鬼だ」というネットのコラムを見ましたが、正直心が痛みました。

 

この記事を書いた人は、車からエアバッグを外せばいいのにと思います。

 

最悪、倒産してもいいからタカタ株に投資しようと決めました。

 

エアバッグ事業を辞めても利益がでる

 

エアバッグは売り上げ比率の35%程度です。最悪エアバッグをすべて切り離しても、生き延びるなと判断しました。まあPERが4倍程度でタカタの株を買えたら、損はしないかなあという単純な理由です。

 

わたしはいくらで参入したか

 

今年の後半になってタカタ株が急騰した理由は2つです。

 

ひとつは、支援するスポンサー候補がタカタと同じエアバッグを製造する企業であること。スポンサー候補の主導権をもっているのは自動車メーカーなので、自動車メーカーにとって一番都合のいい方法が選ばれます。

 

もうひとつは、米国安全局と和解するという報道が流れたからです。もともと理不尽な話だったので、彼らから攻撃されなくなるのは大きな前進です。

 

そんなこともあって、わずか2ヶ月で「350円から1200円」と急回復しました。これでもPERはまだ4倍しかありません。

 

さて、わたしはいくらで買ったのかという話ですが、えらそうなことを言っていましたが全然損値ではありません。1200円と800円のタイミングで買いました。平均取得単価は1000円です。

 

長かった含み益を抱えている時期を脱し、ようやくゼロに戻っただけの話です。

 

2500円あった株価が1500円程度まで暴落、毎日悲観的なニュースが報道され、連日株価が下がっていきます。1200円まで下がった時にこれはチャンスだと思い、自信満々に買いました。

 

スポーツジムのサウナにいき、目の前に座ったおじさんたちがタカタはもうダメだなと話していました。これはチャンスだと思い、自信満々に800円で買い増ししました。

 

そこからさらに、600円、400円、300円と下がっていきます。ここで買い増しできるのが、プロの業績回復株の投資家なんだろうなと思いましたが、これ以上は損をするとこわいなと思って辞めました。

 

反転して元の買値まで戻ったので、結果として間違った判断ですが、後悔はしていないです。自分の資産額から、これ以上買い増しすると精神的にストレスを感じていたはずです。

 

まぁといってもまだ、100%減資の可能性は消えたわけではありません。それがなくても株を増資して希薄化される可能性もあります。

→こっちはかなり確率が高い

 

それでも、2017年のタカタの動向に期待しています。

 

タカタの含み益が消えてくれたことで、4銘柄中4銘柄がプラスになりました。リスクの高い業績回復株で勝負している自分にとっては、これほどありがたい事はありません。とりあえずタカタ株に感謝です。