財政破綻はないけれど日本株だけの運用は避けた方が良い3つの理由

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日本政府が財政破綻する可能性はどれだけあるのでしょうか?

 

もしも財政破綻する可能性が高まった場合に、日本政府が対応する手段は限られています。可能性として一番高いのは、銀行貯金など国民の財産に資産税という形で強制的に銀行から貯金を下ろせなくすることが考えられます。

 

過去に日本政府は、1946年第二次世界大戦後のインフレ―ションのときに実行しています。このときは日本債務がGDP比の200%を超えたときです。

 

昔と比較して現代社会では、歴史上最も国境の壁が低くなり国を超えやすくなりましたが、それでも日本という島国に育ち日本語だけを使う単一民族としては、実際にこれを実行されると逃げ場を失ってしまいます。

 

逆にこれが最大限まで政府の債務を膨張させる理由にもなっています。

 

しかし、現実的にはこれが実行されるかというと可能性としては非常に小さいとも思っています。

 

財政破綻を避けるための資産税という形の徴収は、日本政府に残された最後の手段でもあります。

 

現代社会で一度でもこれを実行してしまえば、多くの資産家は日本から離れていくことになります。資産家といわないまでも、1000万円程度の金融資産を持つようになれば、自然と海外へ資金を移すことに繋がります。

 

戦後のように朝鮮戦争による特需や、その後の経済成長がなければ日本経済は2度と復活することはないといえるほど、非常にリスクが高いです。

 

日本の個人投資家であれば、財政破綻を過度に警戒して投資戦略を立てるよりも、むしろ以下の理由から日本円だけでの資産形成を避けた方がいいと思われます。

 

わたしが日本株を避けたいと考えている理由は以下の3つです。

 

①社会保障費の膨張
②構造的な人口問題
③日本政府の増え続ける借金

 

逆にいうと以下の可能性が払拭されれば、全財産を投じてでも日本株に投資をしたい理由でもあります。できれば他国の持ち株の比率を増やすよりも、日本株の比率を増やしたいと思っているので、できるならこの問題を解決してほしいと願っています。

 

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増え続ける社会保障費の問題

 

社会保障費は今もなお膨張を続けています。2015年、社会保障給付費は112兆円にも上ります。この内訳は以下のようになります。

 

社会保障給付費の主な内訳
年金費用、54兆3429億円
医療費用、36兆3357億円
介護費用、21兆4234億円

 

朝日新聞

社会保障給付費、過去最高の112兆円超 14年度:朝日新聞デジタル

 

「公共事業」「教育」「防衛」など様々な予算がありますが、社会保障費に比べると小さな問題です。これを減らさない限りは財政を改善することは非常に難しいと言えます。

 

また2016年度の政府の税収は過去最高の57兆円です。日本政府は税金以外に収入はありません、この税収と比較するといかに多くのお金が、社会保障費のために使っているかがわかります。

 

年金費用で54兆円も計上している

 

社会保障費で一番多い割合が年金費用です。

 

年金受給年齢を60歳から65歳に引き上げたり、年金納付額を増やしたりしていますが、それでも全然足りていないのが現実です。

 

年金支給はどれくらい貰っているのでしょうか。

 

厚生労働省が公表する数値によると、サラリーマンの多くが加入する厚生年金が14万円4886円とあります。つまり、平均年収が414万円程度で満額で納めた場合、定年後は14万円程度が支給されます。夫婦の場合22万1500円とあります。(実は年金にも税金がかかります)

 

気になる年金受給額。平均いくらもらえる? [年金] All About

 

この収入は多いのでしょうか、少ないのでしょうか?

 

個人的には思ったよりも少ないなというのが感想です。月額14万円だとすると年収でいうと168万円、夫婦で22万円の場合は世帯収入の264万円になります。

 

年収414万円稼いでいたサラリーマンからすると生活水準は大きく下がります。40年間空白期間を作ることなく会社で働き、多くの税金を支払っていたことを考えると、どこか寂しく感じます。60歳から65歳までの5年間は収入がゼロになる可能性もあります。

 

老後は残りの財産を減らさないように質素に生活しなければならないようです。60歳を超えてアルバイトをする人が増えるのは納得できます。

 

しかし、たしかに年金受給額は決して大きくないのですが、それでも全体でみると54兆円ものお金を出費しているという事実があります。

 

日本の財政問題を本気で解決しようとすると、今の受給額が半分以下だったとしても貰い過ぎているのかもしれません。

 

1人の場合月額7万円、夫婦でも11万円、少ないのはわかるけれどもお金がない以上はしょうがない面もあります。

 

医療費用で36兆円も計上している

 

医療費用は現役世代の勤労者で3割、高齢者で1~2割の負担となっています。

 

病院に掛かる費用が少ないというのは、日本に生まれてよかったと思うほど非常に有難い事です。しかしお金がある時代はそれでもよかったのかもしれませんが、これすらも贅沢になってしまったのが現状です。

 

日本の医療制度とよく比較されるのがアメリカです。アメリカは医療費がすべて自己負担になっています。

 

アメリカの民間医療保険の仕組みは複雑で保険料が高いというのはよく聞く話です、しかし政府にお金がない以上は、近い将来日本も自己負担にした方がいいのかもしれません。


生まれながらにして抱える病気や誰にでも起こり得る突発的な病気というのはしょうがないことですが、そうではない後天的な病気であれば自己責任でもいいのではないでしょうか。

 

たとえば、残業ばかり増えてしまい食生活や生活のサイクルが不安定、いつもコンビニの弁当ばかり食べている、週末は運動しないで寝てばかりいる、こういう人たちのために、残りの健康な人たちが医療費を負担するのは違和感を感じてしまいます。

 

仕事で体調崩しても最終的には病院に行けばいいやと、自分の身体を大切にしていないサラリーマンは多いように感じます。

 

現状に見合った制度ということを考えると、アメリカのようにすべて自己負担にしてほしいところです。

 

構造的な人口問題

 

日本は高齢者化率でも世界1位という座についています。総人口に対する65歳以上人口の比率である高齢化率は26%と世界最大です。

 

お金を稼ぎ消費を生み出す生産人口年齢の数は、階段を転げ落ちるように減少していきます。人口問題が解消できないと、社会保障費の増加や若い人の税負担は解消できません。


この問題を解決するためには人口を増やすことに限ります。日本は高齢者のためばかりに税金を使い、子供を持つ若い世代には厳しいと言わざるおえません。それは、平均年齢が46歳の日本社会は有権者が高齢者に集中してしまい、若い人の選挙権が弱い事が原因にあります。

 

政治家は選挙に通過するためにも、高齢者が喜ぶ政策を考えなければなりません。

 

若い人のために税金を使えない、手っ取り早く人口問題を解消したいのであれば周辺諸国から移民を受け入れるしかないと思っています。

 

彼らが日本で働き日本政府に税金を納め、消費してくれることによって財政の問題を少しは解消してくれます。少なくとも人口が減り続け、経済全体のパイが縮小していくということはなくなります。

 

治安が悪くなるという問題は残るのかもしれませんが、それはそれで仕方のないことかもしれません。

 

日本政府の増え続ける借金

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日本政府の債務は増え続け、2016年の現在は1264兆円です。1年間で40兆円、1日に換算すると88億円ずつ債務が積みあがっています。

 

債務が膨張すると政府は税金を上げるしか道はありません。税金が上がると庶民の財布の紐が固くなり消費を控え不況に陥ります。

 

政府は景気を上向かせようと過去に財政出動に多くのお金を使ってきましたが、結局成功することはありませんでした。日本はインフラはもう十分に整備されています。

 

ムダなお金を公共事業に使うよりも予算を減らし、徴収する税金を減らしてほしいというのは誰もが期待することです。

 

これらの問題が解消されたとき

 

以上の事を考えるとやっぱり日本株にはできる限り投資したくないというのが結論です。

 

しかし、逆にいうとこれらの問題を解消する兆しが見えたなら、逆に全力で日本株を買いたくなります。

 

社会保障費の大幅な削減で政府の財政ファインナンスを改善、大量の移民受け入れなどで人口問題が解決できるのであれば、状況は大きく反転します。

 

たとえば、以下のようなニュースが出たらチャンスになるかもしれません。

・移民の大量受け入れを行う
・年金制度の廃止
・医療費をすべて自己負担
・政府の税収と予算が逆転する

 

残念ながらそうはなっていません、現実には逆のことをしています。民主主義制度の負の側面ばかりが目立ちます。

 

日本銀行に大量に国債を買わせることで、日本政府は借金をますます増やしています。インフレを人工的に起こすことで、インフレ税として更に税金を課そうとしています。

 

日本の問題は20年以上も前から指摘されていたことです。人工減少が始まり年金制度が成り立たない、負債は常に増え続ける、平均株価は25年前よりも安い水準です。

 

どうしてこのまま何もしないのか不思議です。

 

投資家のジムロジャーズ氏は、やがて若くて頭のいい人たちは日本を去る、といいますが20年後には本当にそうなっているような気がしてなりません。