年収300万円時代のサラリーマンのリアルな生き方、月に20万8000円の生活

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年収300万円時代という言葉をよく聞くようになりました。

 

年収300万円時代とは日本経済において使われる言葉です。失った20年といわれるほど超低成長時代に、日本の労働者の収入や賃金は下がり続け、多くの日本国民の年収が300万円程度になるという時代のことを指します。

 

収入が減り続けることに加えて、消費税や所得税、社会保障費などの税負担は増え続けることになるため、現役で働いているサラリーマンには重い重力の中で生活しているような感覚に陥ります。

 

パートタイムなどの非正規社員も含みますが、年収300万円以下の割合は40.9%を超えました。300万円以下の割合は、2002年の34.9%から、2014年の40.9%へと急上昇しています。

 

日本はアメリカなどに比べて比較的貧富の差が小さい国ですが、少しずつアメリカの状況に近づきつつあります。多くの日本国民の収入が下がり生活が厳しくなっているのに対して、少数の日本国民の収入は従来よりもはるかに上昇しています。

 

アメリカは数10~20年以上、日本よりも先行しているため早い段階からこのような状況になっています。これは良いか悪いかは別として、本来資本主義社会とはそのようなものです。資本主義社会を否定するのであれば、かつての社会主義国家のように一部の政治家たちが富や資産をすべて徴収することになります。

 

社会主義の方が優れた社会だと考える人はいないでしょう。このシステムがうまくいかなかったことはすでに歴史が証明しています。資本主義に変わる新たなシステムは今のところありません。

 

今まで日本で貧富の差が少なかったのは、日本経済全体が成長していたため、平均的な人たちとの間で差が付きにくく、富の分配もある程度うまくいっていたからです。

 

しかしお金がなくなってくると状況は変わってきます。経済全体が成長しない限りはお金は常に取り合う必要があります。

 

税収入が増えていかず、社会保障が膨らむ中で高齢者が受け取る年金額の減少を受け入れないのであれば、若者や将来生まれてくる子供たちからお金を奪うことになります。

 

現役で働くサラリーマンたちが税負担の上昇を受け入れないのであれば、年金で生活する高齢者からお金を奪うことになります。

 

競争社会において、お金を奪い合うのはいたって普通のことです。レストランはスーパーは常に顧客を取り合う熾烈な競争を常にしています。

 

これからの日本は年収300万円台がスタンダードになっています。年収300万円時代にはそれにあった生活のスタイルがあります。

 

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年収300万円台の背景にあるものは

 

日本人の年収が上がらない最大の理由は、アジアの人件費が日本と比較して安いことにあります。とくに中国では猛スピードで世界の技術にキャッチアップし、収入を上げることに成功しています。

 

国境の壁が低い超グローバル社会では、彼らの成果が上がれば上がるほど人件費の高い日本人の収入に収斂していくことになります。

 

日本のサラリーマンの給与制度ではなかなか収入を下げにくいシステムになっています。そのため、一番下げやすいのは新しく入社する若い世代になります。会社のルールを作っているのは、年齢が高い層なのでこれはある程度仕方がないことでもあります。

 

それが嫌なら会社に所属せず自分で稼ぐ手段を身につけなければなりません。

 

超グローバル社会のもとでは、近隣の先進国と途上国との間で急速に収入が近付きます。グローバルではない会社の社員の給料は驚くほど安くなります。

 

たとえばわたしが大学を卒業して入社した企業は、完全に国内だけで完結する会社でしたが、入社当初に発生した金融危機の影響で翌年から賞与がなくなりました。その年にこの会社を後にしましたが、まだ働いている元同僚に話を聞くと、いまだに賞与が出ていないといいます。

 

日本の中小企業で賞与がなくなれば、年間で50~80万円の収入減になります。グローバルに展開できる企業はなんとか現状維持を保つことができます。

 

最近はEUを離脱したイギリスやアメリカのトランプ大統領が選挙で当選したことからもわかるように、グローバル主義に反対する人たちが増えています。

 

グローバル社会は、たくさんの企業に富をもたらしますが、その反面そこに暮らす多くの国民の仕事を奪ってしまいます。

 

世界は国境の壁を低くすることによって、繁栄してきたという歴史がありますが今後はどうなるかは未知数です。

 

グローバル社会を受け入れれば一般国民の収入が減り、グローバル社会を受けれなければ国の衰退に繋がるかもしれません。

 

年収300万円はどれくらいのお金をもらえるのか

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年収300万円の場合、どれくらいの給料が毎月銀行口座に振り込まれるのでしょうか。賞与なしで換算した場合、手取り月収に換算すると20万8000円です。

 

残業なしで自給換算した場合、1400円程度になります。

 

手取り月収が20万8000円あるというのはどうでしょうか。個人的にはこれでも十分幸せな生活を送れる気がしています。サラリーマンという職業も生きていく上ではひとつの収入源にしか過ぎないため、サラリーマン収入だけでこれだけのお金を貰うことができるのであればそれだけで満足すべきです。

 

収入が伸びていかないのは個人の能力よりも、日本経済全体が成長していかないため、しょうがない一面もあります。これは個人の力だけでは打開しにくいところがあります。

 

まずは客観的にこれから先、経済成長が伸びていかない日本では収入は期待するよりも伸びてはいかないこと、自分がいる状況を冷静に分析する必要があります。

 

年収300万円でも快適に暮らす方法

 

わたしは1社目の会社を働き始めたときの年収は東京に住んで330万円程度でしたが、自分の年収が少ないことにいつもコンプレックスをもっていました。外の世界のこともよく知らないまま、給料が低いと嘆いていましたが、今おもうと周りもそんなもので周囲も大してもらっていないことを知りました。

 

収入が周囲よりも少ないと思ってしまうとストレスになりますが、自分が特別低いわけではないということを受け入れると気持ちが楽になります。

 

焦りは様々な弊害を生みます。現状に不満を持ったまま解決策を探してしまうと、無駄な転職をして転職エージェントにお金を落としたり、株式やFXなどでお金を稼ぎたい人たちをターゲットにするビジネスにお金を落としてしまいます。

 

まずは年収300万円でもある程度快適に暮らせることを知る必要があります。考え方によればそれほど悪くはありません。

 

わたしは年収が300万円だったとしても今であればそれほど悲観はしません。なぜなら国民全体に収入が下がるため、低所得者向けに新たなサービスが生まれていくからです。余計なプライドさえ捨てることができれば、どこまでも生活コストを下げることができます。

 

たとえば東京に住んで年収が330万円しかないときに、郊外の個室のシェアハウスに6万5千円で住んでいました。ここと同じような場所で、3万円で部屋を借りられることができます。もちろん、ここに住む場合は個室をあきらめなければなりませんが。

 

また、当時は仕事が忙しかったため平日もよく外食をしていましたが、生活費を抑えるためには外食もしない方が賢明です。ランチ800円を毎日続けたら2万4000円、これに朝晩を加えたら、7万2000円の出費になります。

 

多少職場と家が遠くても、自転車で通える場所に部屋を借りることができれば、月に1~2万円の節約になります。

 

年収300万円時代に東京に住むのであれば、それに見合った生活をしなければなりません。

 

逆にいうとシェアハウスに住んで個室を諦める、外食することを諦める、電車通勤することを諦める、そうするとたとえ年収が300万円しかなかったとしてもある程度快適な暮らしをすることができます。

 

月に8万円近いお金を貯められるかもしれません。

 

月に8万円お金を残すことができたなら、将来のためにお金を投資に回ります。金額が大きくなるとお金がお金を稼いでくれるようになります。

 

月に8万円残すとこれだけの効果があります

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会社とはしっかりと距離を置く

 

年収300万円時代には、会社から多くのことを期待できないため、会社と適切な距離を置くことが必要です。そもそも資本家と労働者との間には労働契約があり、お互いはそれ以上のことを求めるべきではありません。

 

年金や退職金も多くのことを期待できないため、自分で将来のことを設計をする必要があります。実際には存在しない将来の安定を求めるようとすると、劣悪な労働環境に耐えてでも必死に企業にしがみ付こうとする人たちが増えます。最近はその傾向が過度に強いように見えます。

 

残業代がでるのであればいいのですが、たかが年収300万円のためにサービス残業をしてしまうと、家に帰って自炊できなかったり、時間に余裕をもって自転車通勤ができなかったりと、余計にお金を使ってしまいます。

 

400万円台や500万円台の仕事は数が少なく希少性が高くなりますが、年収300万円程度の仕事であれば、ありふれているためわざわざサービス残業をしてまでその会社で働こうとする人は格段に減ります。

 

300万円を受けれいると、やりたくない仕事を断れるし、そもそもやりたくない仕事を選択しなくなります。仕事で不必要なプレッシャーを与えられる心配もありません。

 

自分の時間ができた分は、早く家に帰って健康的で快適な生活を送り、本業以外でもお金を稼ぐ方法を身に付けるという選択肢が広がります。

 

年収300万円の人は何もがんばっていない!?

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