ダブルバガー(2倍株)、トリプルバガー(3倍株)を狙って株式投資をしてはいけない理由

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先日有難いことにある銘柄で人生初のトリプルバガー(3倍株)を達成しました。生涯死ぬまで投資を続けることになりますが、こんな幸運はもう2度と来ないだろうと思っています。

 

運良くトリプルバガーを掴むことができたのですが、2倍株や3倍株、10倍株(テンバガー)は狙って投資をするべきではないと考えています。

 

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短期で急上昇する株を狙いにいくということは、それだけお金を失うリスクが高くなります。2倍株よりも3倍株を掴もうと思ったらリスクの高い銘柄を探さなくてはなりません。10倍株を狙うようになると株券がかなりの確率で紙切れになる覚悟で買いに入る必要があります。

 

このやり方で「運良く」10倍株を掴むことができたのであれば、それは成功談として語ることができますが、そうでなければ市場に長期で生き残ることはできず、結局は退場させられることになります。

 

50万円が10倍になればそれだけで500万円手にすることができるのですが、果たしてこの50万円が500万円になる確率はどれだけあるのでしょうか?もちろん10倍株とはいわず3倍株になったとしても150万円になるのでそれだけでも十分かもしれません。

 

一方でこの50万円が半分の25万円、もしくは紙切れになる確率はどれだけあるのでしょうか?

 

投資の世界は8割が負けて上位2割だけが勝つといわれるほど厳しい世界です。日本社会は厳しい経済環境が続き、サラリーマンでも投資を副業にしてお金を稼ぐというキャッチフレーズを目にする機会が増えましたが、サラリーマンが片手間で始めて簡単に利益を出せるほど甘い世界ではありません。

 

投資の世界では下位の8割は市況に合わせて買ったり負けたりを繰り返しますが、上位2割の投資家は常に勝ち続けます。

 

上位2割で勝ち続ける投資家は、2倍株や3倍株、10倍株を狙いにいくようなリスクの高い投資をしているのかという話になります。この答えがイエスだと思うのなら投資の世界で勝ち続けるのは難しいかもしれません。

 

サルが銘柄選択してもプロの投資家が選択しても大して差はない

 

たとえばアマゾンで3倍株というワードで検索すると、以下のような書籍がヒットします。

 

アマゾン:3倍株

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「いま仕込んでおくべき10倍株」
「低位株で儲けなさい 3倍株を安値で買い利益を出す5戦」
「個人投資家が勝てる低位株投資 少額資金から3倍高も高配当も狙える」

 

生活を少しでも楽にするためにサラリーマンがおこずかい稼ぎがしたいと思って投資を始めたころに、こういう魅力的なタイトルを目にしてしまうと、ついつい手を取ってしまいます。

 

そういう人たちは間違っても、プロの投資家が銘柄を選んでも猿がダーツで銘柄を選んでも運用結果は大して変わらないという本は手に取りません。これは「ウォール街のランダム・ウォーカー」という書籍ですでに証明されている内容です。

 

 

市場はどう動くかは誰にもわからないのだから、投資家が自分の頭で考えて銘柄選びをするよりもニューヨークダウなどの市場平均に賭けた方が何倍もマシだという話です。

 

これから書籍などで株の勉強を始めてお金儲けを始めようと思ってる人には聞きたくない話です。

 

海外で仕事するために英語ができるようになりたい、TOEICで800点取るために参考書や問題集を買いあさっているときに、すでに英語を使ってビジネスをしている人から「TOEICの勉強をしても時間のムダ」と言われたら誰でもショックを受けます。

 

3倍株を狙うための戦略とは

 

ある書籍を参考に3倍株を狙うための戦略とは具体的にどのようなものがあるのか見てみました。

 

・時価総額300億円以下の小型株
・キャピタルゲイン(値上がり益)重視のため、配当や優待に目を向けない
・直近に年間の最高値を更新した銘柄
・チャートを分析し加速サインを見抜く

 

3倍株を狙いにいくと自然と値動きが激しい小型株を選択することになります。優良企業などの大型株は値動きが小さいためまず対象外となります。

 

小型株は参加者が少ないため少数の売買でも短期間で大きく動きます。たとえばこの中に資金力の高いプロの機関投資家が複数人いれば彼らが動いただけで株価は大きく反応します。まずこうした相場で勝負するということは非常にリスクが高いことを理解しなくてはいけません。

 

値動きが大きい小型株は常に仕手株になる可能性があります。仕手株とは、多額の資金を集団がある銘柄に対して大量の買いや売りを入れて株の取引が活発に行われているかのように演じて、一般投資家を誘い込み株価の急騰・急落が起きやすくなる株のことを言います。

 

彼らは資金量が豊富で投資家心理を読むのに長けています、素人投資家を狙って利益を上げようとします。個人投資家が彼らよりも上手に立ち回れることはまずありません。

 

この小型株に走るという点で、投資の王道から大きく外れることになります。投資の王道とは優良企業の銘柄をずっと持ち続けることです。優良企業は長期にわたって投資家に利益を与えます。たとえ変動率が大きくなくても安定して利益をあげる仕組みを持っているため、市場が成長を続ける限りは株価も成長していきます。

 

また、その過程で投資家に配当金という形で還元してくれます。

 

資産3000万円は月に8万円の価値がある

 

株を始めたころは配当金よりも株による値上がりを狙いにいくべきだと思っていました。配当金は高くてもせいぜい3%程度です、100万円投資したとしても年間で3万円しか手にすることができません。それよりも株が20%上昇すると20万円、30%上昇すると30万儲けることができます。

 

配当金3%のために投資をするよりも、値上がりする銘柄を探した方がより効率のいいやり方にみえます。

 

しかし、ここで重要なのは株価は自分が期待する通りに動かないということです。投資を始めて3年経ちますが、一度も自分が期待する通りに動いたことは一度もありません。

 

保有する4銘柄のうちひとつが3倍になりましたが、これは4銘柄の中で一番購入金額が少ないです。必ず儲かるなと自信を持って投資した銘柄は買い値の半分になり、値上がりするかわからないけど一応買っておくかと選んだ銘柄が3倍になりました。

 

値上がりを狙えば狙うほど自然とリスクの高い銘柄を選択してしまい、期待に反して大きく損をしてしまうということです。

 

配当金はある程度期待通りの結果を得ることができます。また、これは労働時間ゼロで得られる完全な不労所得なため、空からお金が降ってきたようなものです。

 

100万円の資金しかなければ配当金は3万円にしかなりませんが、1000万円あれば30万円、3000万円あれば90万円になります。90万円の配当金があれば、月に7〜8万円の不労所得を手にすることになります。副業をしている人ならわかると思いますが、これだけのお金を月に稼ぐのは決して簡単ではありません。

 

ブログを1日2時間掛けて毎日更新、これを3年間続けたとしても達成するのは難しいかもしれません。

 

資産を3000万円貯めるのは当然ハードルが高いのですが、逆にいうと資産が3000万あるだけでこれだけの不労所得を毎月得られるようになります。30歳で3000万円の35年ローンを借りるサラリーマンが多いことを考えると、実はそれほど難しくないのかもしれません。

 

小型株は暴落する可能性が非常に高い

 

現代はインターネットで世界中がつながったことで、より変化の激しい時代になりました。地球の裏側で発信された情報を瞬時に得ることも可能です。

 

変化の激しい時代に小型株はよりリスクが高くなります。

 

大型株は儲かる仕組みが確立し複数の事業を持っているため、大きな変化の波が起きてもなんとか生き残る可能性があります。

 

たとえば日本はiモードを開発し携帯からインターネットにつなげるなど、モバイル携帯の最先端を走っていました。当時は東芝やシャープ、ソニーなどのメーカーが半月ペースで新製品を市場に投入していました。それがアップルのスマートフォーンにより一気にその地位を失います。日本の携帯メーカーの製品はまったく売れなくなりました。

 

以前は携帯ショップに行っても日本の携帯メーカーしか置いていませんでしたが、今ではアップルか韓国、台湾の製品が8割を占めます。

 

たとえばこの大きな変化の中でも、携帯を製造するメーカーでもあるソニーは不採算部門を切り離せばいいだけなので十分に生き残っていけます。しかしソニーに携帯部品を納品していただけの規模の小さい企業は生き残ることができません。

 

不採算部門の切り離しはたくさんの労働者をリストラすることになりますが、労働者にとっては悪いニュースでも投資家にとっては良いニュースです。

 

他にもこのような例はいくつも見ることができます。半導体事業やディスプレイ、電化製品など数え切れないほどあります。

 

変化の波が激しい時代だと、企業の突然死というのはいつ襲ってくるかわかりません。世界の最先端を走っていた


としても5年後もその地位を維持しているという保証はありません。

 

また、いいか悪いかは別にして経済的に与えるインパクトが大きいとして、大型株は政府に救済や優遇される可能性も少なくありません。同じ粉飾決算でもお咎めなしの東芝のような企業もあれば、ライブドア事件のように経営者が逮捕されることもあります。

 

小型株に投資をするメリットは変動率が大きいくらいで、あとはなにもメリットはありません。デメリットみるとリスクだらけで危険な投資といえます。

 

投資の世界は後付けで語られる

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3倍株、10倍株という書籍はたくさん見かけますが、基本的に株式投資の世界でこういう話というのは大半が後付けです。たった一度でも10倍株を手にしたことがあれば、あれよこれよと理由をつけては誇張します。過去に暴騰したピックアップしその銘柄を分析すれば、ある程度理屈立って説明することができます。

 

たとえそれが人生で一度きりのまぐれ、500銘柄にしてようやくたどり着いたとしても、それほど重要ではありません。情報とはいい部分だけを抜き出して語られるものです。

 

こういう情報を書籍という媒体にして売ればお金になるし、セミナーを開いたりブログの有料記事として販売することもできます。仕手株で飯を食っている人からみればこの書籍が売れることほど有難いことはありません。

 

投資初心者もこうした情報に安易に飛びつくのではなく、どういう情報が正しくてどういう情報が間違っているのか自分の頭で考える必要があります。

 

投資するためには、まずは口座開設から

 

10倍株を狙うリスク

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お金儲けを短期で考えると危険です

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