「21世紀の資本」銀行貯金にお金を置いていると乏貧乏になる理由、金融商品を保有するのは全体の10%以下

多くのサラリーマンが銀行貯金にお金を置いていますが、お金持ちになりたいのであれば、すぐにでもこの習慣を辞めるべきです。

 

とくにアベノミクスのような政策が続けば続くほど、より貧乏になってしまいます。これは世界的ベストセラーになった、「21世紀の資本」によって証明されています。

 

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「資本収益率(r)> 経済成長率(g)」という公式

 

2014年に「21世紀の資本」が世界的に注目を集めました。

 

トマ・ピケティは、古代までさかのぼって格差は長期的にどのように変化してきたのか?所得格差と経済成長はどうなるか?など詳細なデータ分析しました。

 

そしてその結果ひとつの公式にたどり着きます。
「資本収益率(r)> 経済成長率(g)」

 

これを簡単に説明すると、株価が上昇すれば投資家(資本家)は儲かるが、株式などの金融資産を持っていない人たち(労働者)は、儲けることができないという話です。

 

会社に勤めているサラリーマンなら簡単にイメージできると思いますが、会社の社長、役員や資本家などの利益と、従業員の利益は必ず一致するわけではありません。むしろお互いの利益は相反する関係にあります。

 

社長からみれば、社員の給料を減らし、かつ遅くまで長い時間働いてくれると資本家の利益になります。しかし、その陰で労働者は損をしています。会社の業績が落ちても、社員をリストラすれば株価は上昇していきます。株価が上昇すれば資本家は儲かります。

 

逆に、社員のために給料を増やし、働く時間を減らしたら、資本家にとっては不利益になってしまいます。

 

ピケティの公式は常に前者が選択されていたことを証明する公式です。これはサラリーマンがいつまで経っても、お金持ちになれない理由のひとつでもあります。

 

株式投資家は平均で90%の資産を増やす

 

2013年から始まったアベノミクスは、株価を大幅に押し上げることに成功しました。2012年に1万円付近で推移していた株価は、現在は1万9000円と、90%も上昇しています。

 

株価と同じように日本経済が成長したかというと、そんなことはありません。経済成長率は1〜2%、税収も14%と、株価の上昇率と比べて大きく下がります。

 

投資家ジム・ロジャーズがこの本質を見事に捉えた発言をしています。

 

現実をよく見れば、1億人を超える日本人のほとんどが幸せにならずに、一部のトレーダーや大企業だけが潤っている。

 

それが果たしてよい政策といえるでしょうか。安倍首相の答えは「イエス」でも、多くの日本人にとっては「ノー」でしょう。

 

追加緩和を実施すれば株価が上がるので株のトレーダーはまた大喜びするでしょうが、多くの日本人にとってはコストアップという形でより首を絞められることになるだけです。

 

追加緩和への期待感がマーケットでしか騒がれていないことが、いかにも象徴的です。

 

ジム・ロジャーズは、アベノミクスの前に日本株を大量に購入し、2014年夏頃には売り抜けています。

 

重要なことは、国民の大半が追加緩和によってコストアップというツケを払わされる一方で、投資家は追加緩和によって資産が増えるという事実です。

 

つまり、ただ銀行にお金を置いている人と、そうでない人たちとでは貧富の差は拡大していくことを表しています。

 

この事実をもっと注視するべきです。ただテレビの前に座ってビール飲みながら、アベノミクスの追加緩和のニュースを聞き流すというのは、辞めた方がいいと思います。

 

わたしは2013年には海外で生活していたため、証券口座を開くことができませんでしたが、帰国後はすぐに証券会社に申請書を送り投資を始めました。

 

わたしの場合、最初の金額が小さいのでそれほど資産は増えていませんが、それでも投資をしないまわりの同僚に比べて、リッチになっているという自覚はあります。

 

2013年、130万円
2014年、236万円(年比+80%)
2015年、362万円(年比+53%)
2016年、484万円(年比+33%)

 

会社から貰った給料を銀行に置き、新しい車や新しいブランドのスーツを買う同僚とは違うお金の使い方をしています。

 

株式投資をせずに銀行貯金にお金を置き、なんとなく運用していたら、今ほど増えていないはずです。上げ下げはありますが、このまま投資を続けていけば1000万円も近いうちに達成できるはずです。

 

長い歴史をみると、常に貧富の格差は大きかった

 

基本的に資本主義というのは、貧富の差が拡大していく仕組みです。ピケティによると、資本市場が完全になればなるほど、資本収益率が経済成長率を上回り貧富の差は拡大するといいます。

 

そしてこれは歴史上ずっとそうだったと言います。

 

20世紀以前の歴史をみてみると、常に一握りのお金持ちと大多数の生活に苦しむ庶民で社会が構成されていました。20世紀中ごろは世界大戦によって財閥解体、インフレ、銀行封鎖による資産税の徴収などによって、富のリセットにより中間層が大量に出現するようになりました。

 

この時期の方が珍しくて、現代は再び格差社会へと戻ろうとしているのかもしれません。

 

人工知能によって中間層の仕事が奪われると、この流れは一気に加速しそうです。貧困層を脱出するには、株式を買って資本家として資本市場に参加する必要があります。

 

金融資産の保有率は全体の8%

 

実際に日本で投資を行っている人は、どれくらいいるのでしょうか。2014年の総務省の統計によると、貯金額に対する有価証券の構成比です。

 

200万円未満、1.4%
200万円以上400万円未満、3.1%、
400万円以上600万円未満、3.0%
600万円以上800万円未満、3.9%
800万円以上1,000万円未満、5.2%
1,000万円以上1,200万円未満、5.5%
1,200万円以上1,600万円未満、5.8%
1,600万円以上2,000万円未満、8.3%
2,000万円以上3,000万円未満、9.8%
3,000万円以上、19.1%

 

投資をしている人の割合ではなく、貯蓄額ないでの割合ですが、これを有価証券の投資を行っている人におきかえると、8%程度でしょうか。

 

わたしの同僚で考えると10人に1人くらいなので、まあこれくらいかなという気がしています。資産が多い人が有価証券を多く持つのか、有価証券を持つようになった結果資産が増えたのか。

 

お金がない人は前者だと答えそうですが、わたしは後者だと思っています。

 

金融商品に対して銀行貯金の割合が、まだまだ多いことを考えると、このお金が日本の株式に流れてくる可能性もあります。そうするとまだまだ上昇する余地はあるのかもしれません。