株式投資の入門書や証券会社のホームページを見ると、必ずといっていいほど出てくるのが、利益確定や損切りのルール。
しかしこれをやってしまうと、株式投資で成功するのは難しいのかもしれません。
株式投資で成功できない投資家がよく言われるのが、小さい利益をこつこつと手にし、大きな損をして市場から去っていくこと。
どういうことでしょうか?
少しでも利益がでると、また下がるかもしれないという恐怖で持ち続けることができず、持ち株を手放してしまう、そして売ったあとにもさらに株価が大きく上昇し後悔する。
買った途端に上がると思っていたが下がり続ける、いつかは反転するだろうと思いながらも、暴落したらどうしようと恐怖で持ち続けることができない、そしてもうダメだと売った途端に株価が大きく上昇し後悔する。
こんな経験は過去にないでしょうか??
投資をしたことがある人なら、絶対に同じような経験があると思います。これを繰り返してしまうと、含み損を抱え精神的に辛くなりどんどん自信を無くしてしまいます。
結局のところ、タイミング良く売ろう、タイミング良く買おうとしていると失敗してしまいます。皆同じ情報を元に行動しているので、あなたがもうダメだと思った頃には、あなた以外の他の8割の人もそう思っています。
掲示版やチャートを眺めながら、自分のルールを守るか、それとも今回は違うと考えて思い悩むか、毎日消耗しますか?
<20、30代の個人投資家を応援しています。マネックス証券では、現在最大51000円のキャンペーン実施中です。>
じゃあどうすればいいの?
損切りで20%ルールとか、利益で50%ルールとか、そういう決まりごとは思い切って辞めてしまいましょう。
もし、辞めることができないのであれば、せめてプログラムにインプットして自動売買に切り替えましょう。そうしないと、毎日のように掲示板やチャートに張り付いて精神的に疲労してしまいます。
掲示板やチャートに張り付いた時間が長ければ長い程、儲けることができるのであればいいですが、実際にはそんなことはないですよね。
掲示板をみてはあーでもないこーでもないと考えて、チャートが上がれば喜び、下がれば悲しみ、疲れませんか?
ルールを作ることがなぜだめなのか?
世界的な名声を得た投資家が、この方法を勧めているのなら納得できますが、恐らくそんなことはないと思います。
→実際にはいるのかもしれませんが、わたしは知りません
例えば、保有銘柄を10銘柄にして、損切り20%、利益50%、ルールに外れてたら売却、スクリーニングしてまた追加するとします。
まず思うのが損切りの20%ルール、経験がある人ならわかると思いますが、株というのは20~30%というのは、けっこう当たり前のように動きます。
20%下がった後に、そこから大きく反転して、さらに数年後には3~5倍になるというのも、決して珍しくはありません。もしも、スクリーニング能力が高くて、そういう銘柄を手にした場合にあなたの損切りルールは、儲けるチャンスをみすみす逃してしまうことになります。
じゃあ、20%が少なすぎるから、たとえば50%以上にした方がいいのかというと、それも微妙です。2008年のような金融危機が訪れると、10銘柄中ほとんどの銘柄で損切りを発動してしまうことになります。もはや損をすることが運命付けられているようなものです。
そうなると、せっかくルールを決めてコツコツ稼いできたお金を、たった一回の金融危機で帳消しにしてしまいます。
損切りが小さすぎるのもよくない、だからといって大きすぎると、それはそれで損切りの意味がなくなってしまいますよね。
次に利益50%ルールは?
損切りでもあった通り、もしもあなたのスクリーニングが優秀なら、5年や10年持っていたら、3~5倍に上昇するような銘柄も含まれていることになります。そうしたときに利益50%というのは、単に儲けるチャンスをなくしているに過ぎません。
また、売った時に20%の税金が抱える事を考えると、せっかく50%まで達したけど、手にする利益は30%だけです。
将来値上がりするだろうと思い、高い手数料を払ってまで購入する銘柄の利益に、自ら制限を持つことになります。
①このようなやり方を続けていると、上昇相場ではあなたのスクリーニング力が優秀であれば、「そこそこ儲け」を出す事に成功します。
→大きく儲ける可能性は低いですね。
②しかし、下降相場ではたとえあなたのスクリーニング力が優秀であったとしても、「そこそこ損」をします。
→大きく儲けることもなく、大きく損をすることもありません。
③そして、2008年のような金融危機が発生すると、「周囲と同じようにそれなりに大きく損」をします。
この3点を考えると、ルールを持つこと自体に疑問を持ってしまいます。
なんのために持つのか?という疑問がわたしにはあります。
→わたしも投資を始めた当初はありましたが、辞めました
損切りに対してだけルールを持つという方もいると思いますが、値上がりすると思った銘柄を買うと決めた時点で、そこからいくら下がるかはそれほど重要ではありません。
一度購入した銘柄を損をしてでも売るときは、あなたが値上がりするだろうと思って購入した「前提条件」が覆されたときだけです。そのときに、今の株価がどれだけ下がっているかというのは、それほど重要ではありません。
むしろ、その前提条件が覆されていないのなら、売るのではなく、チャンスだと思い買い進めることの方が重要です。
この銘柄は、あと30%下がるだろうとか、上がったとしても50%だとか、そういう詰まらない予想をするのは、いっそのこと辞めてしまいましょう。
あなたを短期投資家に誘導したい人たちがいる
冒頭で株式投資の入門書や証券会社のホームページに、ルールの重要さが語られていると書きましたが、これには理由があります。
あなたが短期投資家になることで、利益を得る人たちがいるからです。
それは、証券会社で働く方たちです。彼らは株式売買の手数料を受け取ることでお金を稼ぎ、そこから従業員に給料を払っています。
今はインターネットの恩恵を受けて、売買手数料がものすごく下がりました。インターネットでボタンをクリックしただけで売買ができます。
昔なら、証券会社の担当者に電話をかけ、証券マンからアドバイスを受け、買値を交渉しそれでやっと購入できるというレベルですよね。
しかし、便利で安価になった反面、悪い面もあります。それは一日に何回も売買を繰り返してしまうということです。
1回300円の売買でも、一日に5回も繰り返せば1500円、これを20営業日やれば30000円にもなります。このお金は証券マンのポケットに入ります。
あなたはボタンをクリックするだけで、月に3万円失っていることになります。
利食い、損切りしない勇気を持つ
いくら優れたルールやスクリーニング法を開発したとしたとしても、売買コストを上げてしまうと、利益は減ってしまいます。
不必要な売買を減らすためには、余計なルールは持たない方がいいのではないでしょうか。
小さい利益や、ちょっとした含み益で、ついつい売却している方が多いので記事にしてみました。