株式投資の初心者が陥りやすい3つの罠、過去に英語を挫折した人がとくに注意すべき理由

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株式投資で資産形成をしようと毎年たくさんの方が証券会社に新しく口座を開設します。


例えば、現在ではSBI証券が最大手ですが、2012年に口座数は238万ありますが、2016年には356万まで急上昇しています。他の証券会社の口座数も同様に上昇しています。

 

多くの人が株式投資を始めた理由はお金を増やすことが目的のはずです。

 

しかし株式の将来を見込んでお金を増やすことを目的に投資を始めたはずなのに、気付いたらギャンブルをするために投資をしている人というのは少なくありません。

 

これは投資ではなく投機といいます。

 

投資の意味を調べると、「利益を得る目的で、事業・不動産・証券などに資金を投下すること。転じて、その将来を見込んで金銭や力をつぎ込むこと。」とあります。

 

投機とは「将来の価格の変動を予想して、現在の価格との差額を利得する目的で行われる商品や有価証券などの売買。」のことを指します。

 

つまりパソコンの前に張り付いて、経済ニュースを見て来週は値上がりするからこの銘柄を買おうとか、逆に値下がりするから売ろうとか、そういう行為は投資ではありません。


競馬に行ったら馬券、パチンコに行ったらパチンコ台を選ぶ行為と何も変わりません。

 

そこでお金を増やすために株式投資に参入した初心者が、投機家に生まれ変わっていく要因を考えてみました。

 

①信用取引をはじめてしまう
②デイトレーダーに生まれ変わってしまう
③FX(為替取引)に走ってしまう

 

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英語を勉強したときのことを思い出してみる

 

投資とは少し話が逸れてしまいますが。

 

新しい事を始めてみようと思った動機と、実際に始めてみたら当初の目的とはだいぶ違う方向に走ってしまったという経験は過去にないですか?

 

この一番わかりやすい例が英語になります。

 

英語を勉強をすればするほど当初の目的と離れていく人が多い事にびっくりします。わたしは一時期英語に力を入れて勉強していた時期があったので、その過程でたくさんの英語を勉強する人たちに会いました。

 

しかし、なにを目的にこの人は英語を勉強しているのかな?と思う時が多々あります。英語がなかなか伸びずに挫折していった人を詳しくみていくと、目的とそのためにやっていることのギャップが大きい事に気付きます。

 

英語はたくさんの人が喋れるようになりたいと願い、人生で一度は挑戦してみることのひとつだと思います。自転車やクルマの運転のように誰もが習得できればいいのですが、英語はだれもが習得できるものではありません。
(実際にはそんなことはないのですが)

 

ある程度できるようになるのはほんの一握りで、多くの方が3カ月、長くても1年も経たないうちに挫折していきます。

 

この最大の原因はTOEICや英検などのテスト勉強にあります。

 

多くの人が英語を始める動機は、映画やビジネスを使っている人を目にして、英語圏のネイティブのようにスラスラと英会話できるようになりたいと思って始めます。しかしそう思って英語の勉強を始めても現実はまったく違う事をしているのです。

 

まず最初に本屋に行ってみるとTOEIC関連の本が一番手前の本棚に並びます、インターネットで英語習得について検索すると、ここでもTOEIC関連の話ばかりが並びます。しっかりとした考えがないまま英語の勉強を始めると、気付いたらTOEICで高得点を取るために何時間も机に向かう事になります。

 

英会話ができることを目的に語学の勉強を始めたのに、TOEICで高得点を取ることが目的にすり替わっています。

 

TOEICで高得点を取ることを勧める人たちは、あなたに英語がスラスラと話せるようになってほしいからではなく、彼らが作った教材を売ってお金を稼ぎたいからです。

 

ここで本来の目的に戻って軌道修正できる人は多くはありません、大半はTOEICの延長線上に英会話ができるようになるという幻想を夢見ます。

 

ハッキリ言ってしまうとTOEICの勉強ほどムダな時間を過ごすことはありません。

 

たとえば仕事で必要な専門スキルがあってそのために英語を勉強しているのであれば、TOEIC800点のための意味のない単語集ではなく、専門スキルに関連した単語を覚えることに貴重な時間を使わなくてはなりません。

 

もしも株式投資が好きで世界の情報を知りたいなら、TOEICの問題を解くための意味のない長文を読むのではなく、BBCの経済に関連するニュースを読むために貴重な時間を使わなくてはいけません。

 

英語を教える職業に就く人ならともかく、そうではない英語が伸びない人ほど、2言目にも3言目にもTOEICの話ばかりしてきます。わたしが目指しているものはTOEICのテスト勉強の先には何もありません。

 

英語を勉強しているときにTOEICの話ばかりしてくる人にウンザリしていました。特に自分よりも英語力が低い人にこの話をされると、「あなたが英語が伸びない理由はムダなTOEICのテスト勉強に時間を使っているからですよ」と言いたくなる事が度々ありました。

 

ビギナーズラックはなぜ起きるのか

 

話を投資に戻すと、株式投資でも同じようなことが常に起こっています。

 

お金を増やそうと思って株式投資を始めますが、気が付いたら目的と違ったことをしている人は決して少なくありません。

 

これも英語と同じで、純粋に投資を学びたいと思っている人をカモに教材を売りつけたり手数料を取ったりしてお金儲けしたい人たちが必ずいるからです。

 

まずはこういう情報に惑わされずに自分の軸を持つ必要があります。

 

意外と投資を始めた直後というのはビギナーズラックでお金を増やすことに成功します。なぜかというと難しく考えずに売買するから他の参加者よりも有利に働きます。しかし、ネットや雑誌から情報を集めるようになり、次第にシンプルだった投資を自ら難しいものへと変えてしまいます。

 

8割の投資家は市場で負けてるという事実があります、彼らの多くは勝手に自滅して負けてくれるため、余計なことをしなければ自然と勝率は上がります。

 

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信用取引をはじめてしまう

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単純に株の売買をしているだけでは、お金を大きく失うということはそうそうありません。どれだけ値動きの激しい小型株に掛けても、月に動くのは50%程度です。

 

小型株とは時価総額の小さい銘柄で値動きが大きい銘柄を指します。時価総額が大きくないので数億円単位の資金力の大きいプロの投資家が複数人いると、その動向によって株価が激しく動きます。小型株は投機になりやすい銘柄といえます。

 

多くの銘柄は月に10%も動けば値動きは大きい部類に入ります。

 

意外と思うかもしれませんが、20~30万円の初期費用で投資を始めて月に動く金額が1万円程度だったときに、物足りなさを感じてしまう人は非常に多いのです。

 

パチンコや競馬に行ったら日単位で2~3万円のお金が動きます、パチンコや競馬がいかに人気があるかというのは言うまでもありません、そういう人たちにとっては株式投資というのはとても退屈なギャンブルなのです。

 

銘柄を購入したらあとは何もすることがありません。競馬のようにレースが始まる前に集まって観戦するわけでもなく、パチンコのように玉を出し続ける必要もありません。

 

そうするとどうなるかというと、レバレッジを掛けて手持ち以上のお金を動かしたいという欲求に駆られます。そのために信用取引という取引があります。

 

信用取引とは難しくいうと、「証券会社が顧客に一定の委託保証金を預託させ、買付代金または売付株券を貸し付けることによって行わせる株式取引。」とありますが、要は証券会社から借金をしてレバレッジを掛ける事です。

 

10%しか動かない銘柄でも、2倍のレバレッジを掛ければ20%動いたことになります。5倍のレバレッジなら50%、10倍なら株価は倍になります。逆に動いたときは、失うお金もその分大きくなります。

 

月に30万投資して10~20万円動けば、ギャンブルが好きな人たちはある程度満足します。

 

そしてここで余計なことを頭の中で計算してしまいます。「もし自分の考えが正しければこの銘柄は20%上昇するかもしれない、だけどただの取引なら6万円しか儲からない、レバレッジを5倍にすれば30万円儲かる、おれが間違えるハズはないからリスクが高いけど今回はやってみよう。30万円儲けたらもっとリスクの低いやり方にしよう」

 

↑ これは客観的にみればバカげている事ですが、自分が当事者になると皆このように考えてしまうものです。

 

株式投資という本来の意味を考えれば、信用取引とはそもそもやる必要がないものです。


デイトレーダーに生まれ変わってしまう

 

これも不思議なことのひとつですが、多くの初心者がデイトレーダー、もしくは短期投資家へと生まれ変わっていきます。

 

株式投資を始めようと思ったときに多くの人は、数時間単位で売買しよう、数日単位で売買しようとは思わないはずです。こういう売買をしたいなら、株式投資ではなくはじめからFX(為替取引)を選択するからです。大半の方はこれからも成長が続くと思った企業の株を買うため、無意識に長期で投資をすることを前提にしています。

 

しかし現実はそうではありません。

 

長期投資家といえるような人は本当にごく一部です。長期投資家になるつもりで初めても、気付いたら数カ月後には短期投資家に生まれ変わってしまうのです。

 

この最大の理由は、インターネットや雑誌で大儲けしているデイトレーダーの情報を得るようになるからです。

 

初心者は投資を始めて当初思っていたように資産が増えないと、他の成功している投資家の情報を知りたいと思うようになります。これ自体は間違った行動ではありません。

 

しかしそんなときに、100万円を元手に10年後に1億円達成、1日1時間の取引で毎月50万円、という情報を見ると人間の欲が湧き出てしまいます。

 

こういうバカみたいに稼ぐ人たちが市場に存在するかというと現実にもちゃんと存在します。しかし気をつけなければいけないのは、分母がいくつかということです。一種の特別な才能を持った人たちを見て、彼らのマネをしようと考えるのはバカげています。

 

彼らのようなトレーダーは現実社会には、10万分の1もいないかもしれません。彼らは個人で数億円の売買をするときでも、眉ひとつ変えずに平常心でお金を左から右へ動かします。ひと月に臨時収入で3万円増えただけでも喜んでしまうような普通の感覚を持った人なら、彼らと同じことをできるようになることはまずありえません。

 

冷静に考えればわかることですが、投資を始めてネットや雑誌などで彼らの存在を知ると、自分でもできるような気持ちになってしまいます。

 

これにもちゃんとした理由があります。

 

このような特殊なトレーダーや成功談の情報を拡散する人たちは、個人投資家から売買手数料を得ている証券会社が発行している媒体、もしくは彼らから利益を得て情報を発信している可能性があります。

 

手数料を稼ぐ証券会社に取って、長期投資家は滅多に銘柄を動かさないため、ほとんどお金になりません。対してデイトレーダーのような短期投資家はお金のなる木です。

 

たとえば、1日に5回手数料が500円の取引をしたとします。このデイトレーダーが証券会社に支払う手数料は日単位で2500円、20営業日の月で5万円、年間で換算すると25万円にもなります。

 

こういうアクティブな投資家を100人集めたら、それだけで2500万円もの収益を得ることになるのです。対して長期投資家であれば、年に支払う手数料は数千円程度です。


新しく顧客を増やすよりも、すでに口座を持っている長期投資家を潜在的なデイトレーダーに生まれ変わらせた方が、はるかに効率が良いビジネスになります。

 

あなたが効率良くお金を稼ぐやり方を探し求めて短期投資家になったのではなく、そうさせた方が儲かる人たちがあなたのことを誘導したにすぎません。

 

FX(為替取引)に走ってしまう

 

おそらくこのブログにはFXに興味がある人は訪れないと思っているので、FXについて何がダメなのかという詳細は省きますが、一言でいうとただのギャンブルにすぎないからです。

 

FXは24時間営業の世界最大規模のカジノだと言われています。わたしもこの意見にかね賛成です。

 

投資にギャンブル性を求める人は、以下のように流れていきます。

株長期売買 < 株短期売買 < 株信用取引 < FX取引

 

個人投資家が右に流れれば流れるほど証券会社が儲かりやすくなります。

 

証券会社にとってFXを始めてくれるほど嬉しい事はありません。実はこれを端的に表していることがあります。

 

このブログで株の新規口座開設のアフェリを貼っています。この単価は実際にクリックした人が開設を成約すると600円発生します。対して、FXの新規口座開設のアフェリの単価を見てみると1万円~2万円のものが大量に見つかります。

 

つまり証券会社にとって株の新規口座の20~30倍のお金を払ってでも、FXの新規口座を開設させたいという思惑がハッキリと表れているのです。

※このブログではFXのアフェリは貼っていないですが

 

FXに口座を作らせるという事は、24時間営業の大規模カジノの会員になってもらうようなものです。これだけで多くの手数料を落としてくれる事実があるからこそ、アフェリの単価がこれだけ高額に設定されているのです。

 

FX為替売買や株デイトレーダーや短期投資家がなぜお金持ちになれないのか?

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まとめ

 

以上のように株式投資の初心者が陥りやすい3つの罠というのがあります。

 

これは初心者が自然にこの罠にはまっていくわけではなく、意図的にあなたを落としたいと思っている人たちが無数に存在するからです。

 

株式投資を始めた理由を明確にしないまま、なんとなくで初めてしまうとこうした罠にハマる可能性も非常に高くなります。

 

一度なんのために株式投資をやるのか、という理由を明確にすることをおススメします。