セミリタイア生活を現実のものにするために、事前に準備しておかなければならないことがいくつかあります。
他に収入源を確保しておくというのは言うまでもありませんが、意外と見落としがちなのが生活水準をコントロールすることです。
安定して収入を得られるサラリーマン時代とは違い、収入が不定期になります。仮に順調なときは20万円稼げたとしても、なにかきっかけに2〜3万円まで激減したというケースも想定しておかなければなりません。
このときに、最大限に生活水準を落とす事態をあらかじめ想定しておくと心に余裕ができまます。収入が激増して生活ができないリミットまでカウントダウンが始まり、またサラリーマン生活に逆戻りしないといけないと考えてしまうと、精神的に辛い状況に追い込まれます。
あせりは失敗の元になります。
もちろんサラリーマンをしていたとしても、会社が潰れたりリストラに合えば収入源が途絶えてしまう可能性はあります。ただ、そうしたケースはセミリタイアのリスクに比べたらまだまだ低いのかなというのが印象です。
もちろん現在の厳しい日本の経済環境を考えるとサラリーマンにしても、セミリタイア後に収入を稼ぐにしても収入源を複数用意しておくというのは絶対に避けられません。
生活水準を落とす方法はシェアハウス
日本の都会に住んでしまうとどうしても生活費が高騰してしまいます。中でも生活費の大半を占めるのは家賃です。
よく家賃は収入の3分の1が妥当だと言われますが、20万円の手取り収入があったとして6万6千円も家賃だけで取られてしまい、手元には13万4千円しか残りません。家賃が6万6千円でも、ここから水道光熱費や通信費を払えば8万円を超えてしまいます。
家賃は、食費や娯楽費などと比較して抑えるのが難しいです。食費を抑えたければ、外食や外でお酒を飲む事を辞め自炊に徹しれば劇的に改善することができます。また、家賃は固定費としてあらかじめ計上されてしまうため、なかなかここに手を付けようという発想がありません。
実はここに思い切って手を付けると、やり方次第では生活費を大きく下げることに成功します。
セミリタイア生活を目指すのであれば、シェアハウスに住んで家賃を下げることを選択肢のひとつとして用意しておいた方がいいというのが私の考えです。その場合個室ではなく、個室をシェアするところに住むことをお勧めします。
シェアハウスの一人部屋でも家具を準備する必要が一切ないし、水道光熱費や通信費が発生しないため、アパートを借りるよりも安いんです。しかし月の家賃を比較しても大きくは違いありません。これを個室をシェアするドミトリーに変えると、家賃は劇的に下がるのです。
わたしは一人部屋を諦めて東京の一等地に6万円の場所で生活しています。ここに住んでいる理由は職場まで徒歩10分で通勤できるからです。通勤を満員電車の中で過ごしてしまうと、時間を浪費するのもそうですが、それ以上に身体的にも精神的にも朝から疲労してしまいます。これを避けるために、多少のお金は惜しまないことにしています。
朝から満員電車に乗って通勤するとおもったら布団から出る気をなくしてしまいます。
もしも副収入が少ないうちに仕事を辞めた場合、郊外の2万9千円の物件に移動するつもりです。そのためにもいまの
水道光熱費、ネット代が発生せずキッチンや浴室が自由に使えて3万円を切るのはとてもありがたいです。いつでもこういう生活ができるように準備をしておくと、収入が減ったときの恐怖を軽減することができます。
人生で初めてのシャアハウスに住んでみたとき
最近大流行しているシェアハウスですが、色んな種類のハウスがあるため一概に定義することはできません。
シェアハウスはここ7〜8年で驚くほど急成長している市場です。2008年は数えるほどのシェアハウスしかありませんでしたが、その頃と比較すると10倍以上物件が増えています。市場規模でも2014年には昨年の34.7%増で232億円、2018年には倍の462億円に到達すると言われています。
ここまでシェアハウスが急拡大している一番の理由は、家賃が一人でワンルームを借りるよりも割安だからです。
東京に出て働き始めた当初は会社の社宅に住んでいたため割安で暮らすことができましたが、会社を辞めたため人生で初のアパートを借りることになりました。はじめて不動産屋に行って家賃をみたときは、それほど高いとは感じません、敷金礼金や管理費なしで表示しているため、そんなものかという感じです。
しかし不動産屋さんと話を進めるいくと初期費用で10万円以上お金がかかる、その他に家具など揃えると30万円近いお金が吹っ飛んでいくことになります。
次の職場が決まっていないし、いつまで住むかもわからないところに30万円のお金をかけるのは馬鹿らしいなと思いました。年収が300万円程度しか稼げないのに、家賃だけで月に8万も払っていると手元にお金がほとんど残りません。
そんなときに、インターネットで見つけたのがシェアハウスです。そのときはまだまだ物件数も少なくはじめて聞く言葉でしたが、初期費用が一切かからず月に6万5千円払えば水道・光熱費込み、さらに家具はすべて揃っているため、旅行用のスーツケースひとつで住むことができます。しかもシェアハウスといっても、一人部屋を確保することができます。
実際に住んでみると色んな国籍の人と友達になることができ、週末は一緒に料理を作ったりリビングで楽しく飲み会をすることができました。東京で収入の少ない独身者がアパートに暮らすメリットは何もありません。
東京の忙しい会社で働いていると、平日は朝早く家を出てあとは帰って寝るだけの生活、週末は家にいるだけの生活をしてしまうと、職場以外の交友関係を持つ機会はほとんどありません。
最近のシェアハウス事情
最近のシェアハウスをみると市場の急成長に伴い供給者側の競争が過熱して、多種多様化が進んでいます。
基本的に一昔前のシェアハウスのイメージは一人部屋でキッチンやリビング、シャワー室を共有し、アパートよりも少し安く住めるという印象でした。シェアハウスとはいっても、日本人には個室を共有するドミトリーは流行らないだろうと言われていました。
今ではドミトリーもたくさんあるし、ハウス内に大浴場や図書館、喫茶店、運動ができるスタジオ、バスケットボールのコートがあったりとワンランク上の層をターゲットにしたソーシャルレジデンスというタイプのシャアハウスも流行っています。
もちろんこれは一人暮らしも高い料金が設定されていますが、これらの施設が自由に使えることを考えると高い買い物ではありません。自営業者やフリーランスの方が自宅兼職場として利用する人が多いようです。
浴場付きのシェアハウス
ドミトリーとは少し違ったコンパートメントタイプと呼ばれる部屋もあります。
職場以外の人と交流することができる
わたしはドミトリーの部屋に住むことに決めました。目的は収入が減った時にいつでも生活水準を落とせるように準備をするためです。大学のときは二人部屋の学生寮に住んでいましたが、さすがに社会人になってからの共同部屋はかなり抵抗がありました。
疲れて仕事から帰った時も一人になれる空間がないというのは非常にストレスです。
ただいまのうちにこの生活になれておくと、セミリタイアした直後の収入が少ないときに月に3万円まで生活費を落とすことができます。
実際に住んでみると以外と苦ではありません。学生寮だったり環境の悪い途上国に住んでいたこともあり、他の人よりも抵抗がない方なのかもしれません。
やはりシェハウスは生活の場を共用する分すぐに仲良くなれます。外国人と仲良くなるために、パーティやイベントに行く必要もありません。家に誰もいないからとわざわざ外に飲み屋に足を運ぶ必要もなく、リビングにいればだれか話し相手になってくれます。
一人暮らしの生活がないと、家に帰ったらだれかがいるというのは本当にありがたいことです。
生活水準をコントロールするスキル
地方に住んでいたときは、家賃と家具のレンタルで3万4千円、さらに光熱費や通信費を払って4万5千円という場所に住んでいました。それでも家賃は地方でもかなり安い方です。家と家の距離もそれなりに離れていて、田畑が多くアパートの近くにはレストランやスーパーも数えるほどしかないようなところです。駅前まではバスで40分もかかります。
そこと比較して東京に住んでいても3万円で生活できるというのは破格の値段です。この生活がいつでもできるというのは、精神的にだいぶ気持ちが楽になります。
生活水準というのは稼げる収入額によっていつでも柔軟に変えられるようにする必要があります。