最近「富女子」という言葉が流行っているようです。
富女子の定義とは
「20代で1000万円を貯め、お金の知識をしっかり身につけ、生涯お金に困らず自立して生活していける女子」のことを指します。
実際に富女子会に参加している女性は普通のOL、SE、中小企業に勤める女性が多いそうです。就職してから5年間で1000万円を貯蓄する女性が急上昇中しています。「たとえ年収が300万円の低収入でも実現可能」というのが前提になっています。
このブログテーマと完全に一致します。
- 若い女性でお金に興味がある層が急上昇
- 年収300万円で5年で1000万円は?
- 年収300万円で30歳で1000万円は?
- 都内一人暮らしで30歳で1000万円は?
- 1000万円貯めることに期間を決める必要はない
若い女性でお金に興味がある層が急上昇
フィナンシャルアカデミーという独立系の投資セミナーでも、若い女性をメインにターゲットしていることからもわかるように、女性の方でもお金に関する知識を勉強したいと考えている層は確実に増加しています。
普通に暮らしている人はお金について真剣に考えるのは、結婚して子供を作るときや借金をしてマイホームを検討するときです。現実的に子供を作っても生活が成り立つのか、何人までなら経済的に余裕を持って育てることができるのか、借入金はいくらまでなら無理なく返済できるのかなど、そのときになって初めて本気で考えるようになります。
しかし現代社会の経済状況を見ると、お金に関することは早いうちに将来設計を立てておいた方がいいのは間違いありません。若い世代は現代の高齢者世代よりも受け取れる年金額は大幅に減少します、会社に定年まで働き続けてさえいれば老後は安心という時代ではなくなりました。
経済状況が良くないと企業はお金を稼ぐことができず、社員をリストラする可能性も高くなります。少し前のシャープや東芝をみても分かる通り、企業は生き残るためには手段は問いません。
年収300万円の以下の層は40%に達しました。その中でも男女別で見た場合、女性の方が圧倒的に男性よりも多いです。年収300万円以下で働く男性は24%なのに対し、女性の場合は65%になります。20代後半の女性の平均年収は295万円しかありません。
年収が300万円を超えない女性の数は決して多くないという現実があります。男性よりも女性の方が現実社会をシビアに見ています。
最近、なぜ若者は職場の飲み会に参加しないのかという討論番組を見かける機会が増えましたが、自分の年収が300万円しかなくて月に使えるお金が限られている以上は、自然とそういう選択になります。
テレビは製作者側が年配の方が多いため、最終的には若者の価値観は理解できないという締めくくりで終わります。価値観どうこうよりも経済的な理由が大半を占めます。
1次会だけの参加でも4〜5000円、2次会まで参加してしまうと4〜8000円、3次会までいくと1万円を超えてきます。1次会だけで帰れればいいのですが、そうするとそれはそれで付き合いが悪いと言われます。
お酒を飲まない人にとっては会社の飲み会は高級料理に行くのと一緒だし、お酒を飲む人でも毎日顔を会わせる同僚よりも、気が合う友人や大切な人とお酒を飲みたいと考えます。
人付き合いがドライになったからというよりも、経済的理由の方が大きいのです。いくら先輩から貴重な話が聞けるとか、仕事を円滑にするために必要だとはいう年配は多いですが、お金と天秤にかけたときに、メリットの方が少ないと判断されたからこそ、参加しない人が増えています。
わたしはお酒が大好きな方の部類ですが、会社の同僚と飲むよりも大切な人と一緒に時間を過ごしたいと思っています。
経済的な状況が厳しいなか社会で自立することが求められるほど、女性は自分で生活しなければならないと自然と生活術を身につけていくことになります。
このブログでも再三述べているように、年収300万円でも資産が1000万円というのは現実的に難しくない数値です。5年という縛りがあるとハードルは高くなりますが、20代で考えるとそれほど難しいことではありません。
年収300万円で5年で1000万円は?
現実的に年収300万円の収入のサラリーマンが、たった5年で1000万円達成するのは可能なのでしょうか?
株式投資で運用したり副業でお金を稼ぐことができれば、より達成する可能性は高くなりますが、今回は勤労所得のみという前提で計算します。運用や副業は正確に計算できるわけではないので、現実的ではありません。
300万円の給与所得に税金や社会保障などを差し引いた後の手取り額は248万円です。これを月に換算すると20万7000円の手取りになります。
5年で1000万円を達成するためには年間で200万円、ひと月に換算すると16万6000円貯めなくてはいけません。ということは、ひと月に自由に使えるお金はたったの4万1000円だけです。
ひと月
収入:20万7000円
支出:4万1000円
貯金:16万6000円
4万1000円だけで生活費を賄うのは不可能です。実家に通って家にお金を1円も入れない、地方に住んでも車を所有しない、海外旅行や贅沢品、化粧品など一切買わない、これをやったとしても達成できるかどうか微妙です。
家に一日中引きこもっている20代なら可能かもしませんが、働く女子にはまず不可能です。
この本のタイトルにあるように、20代女子が5年で1000万円というのはちょっとありえないと思います。レビューで以下のような厳しいコメントがあります。
実際に年収300万の女性がどうすれば1,000万を貯めていくかという具体的な方法についてはあまり触れていなく残念でした。固定費である家賃と保険を減らすということは書いてありましたが、具体的かつ詳細な貯金方法には触れてなく、個人的に現在の給与で1,000万円をどうやって貯めていくか、5年で現実的ににどう可能なのかというのを見出せないまま最後のページまで読み進めてしまいました。
年収300万円で30歳で1000万円は?
5年で1000万円という縛りをやめて、22歳から働きはじめて目標を30歳に設定した場合はどうでしょうか。
1000万円を8年間で貯めるためには、毎月8万3000円手元にお金を残しておく必要があります。一月の出費は12万4000円になります。
ひと月
収入:20万7000円
支出:12万4000円
貯金:8万3000円
支出が12万4000円も自由に使えると考えるとかなり現実的になります。実家暮らしの場合、家に生活費で4万円入れたとしても8万円も手元にお金が残ります。週に2万円程度の生活費で無理なく1000万円貯めることができます。
ただずっと実家で暮らせるわけではないので、お金を増やすことには成功しますが、お金を増やす知識を身につけないまま年齢を重ねてしまいます。
都内一人暮らしで30歳で1000万円は?
実家から職場に通えれば無理なく貯めることができますが、通勤圏内に実家がある人というのは相当限られています。通勤圏内に実家があるのならば迷わずその選択をするのですが、しかし現実はそういうわけにもいきません。仕事の数も地方よりも都会の方が圧倒的に多いため、実家の通勤圏内で仕事を探そうとするとそれだけで数が限られてしまいます。
また、地方で維持費のかかるクルマを保有するが、そのかわりに実家に暮らすというのも、お金を増やす戦略としては悪くはないと思うのですが、地方では新しい出会いも少なくコミュニティが閉じている、同じような価値観の中で生活してしまうため、20代独身者がこの生活をするのはあまり魅力的だとは思いません。
都会に一人暮らし、月に12万4000円で生活するためにはそれなりの知恵が必要になります。なんとなく生活するだけでは決して達成できない数値です。
まずは家計簿を作成して何に使っているのかお金の流れを把握する必要があります。お金の流れを把握したら、いくらに抑えることができるのか考えなくてはいけません。
月に12万円で生活しようとするとだいたい以下のような配分になります。
家賃:6万円
携帯、保険:1万円
食費:2万円(週に5000円)
雑費:3万円
都内に住んで6万円の物件はそうそうありません。携帯や保険を安く抑えるためには、ネットの掛け捨て保険で3000円、格安Sim携帯を利用して3000円に抑えるなど工夫が必要です。
食費に2万円というと週に5000円に抑えなくてはいけません。弁当は毎日持参することが前提だし、朝晩も自炊が基本です。それなりの店でランチをすると、週に使える食費の5分の1を1回で消費してしまいます。飲み会に参加するとそれだけで5000円程度飛んでしまうため、飲み会にも参加できません。
雑費3万円の中に美容院や化粧代など入ります。女性は男性と違い私服で通勤する必要があるため、それなりに衣服にもお金を捻出しなくてはなりません。
30歳までの1000万円資産を貯めることが、可能かどうかという話になると無理をすればなんとか可能だなということがわかります。
1000万円貯めることに期間を決める必要はない
個人的には年収が300万円でも30歳で1000万円貯めることは十分現実可能だとは思うのですが、期間に制限を設けることには意義を感じていません。
目標値を決めておくのはいいのですが、それが義務になってしまうと途端にストレスになります。たとえお金が貯まったとしてもストレスが溜まるようであれば、長期で見た場合に結果的にお金を失うことになります。
人生はバランスが大事なので、無理なくストレスにならない生活水準を見つけて、人生を楽しめるレベルで自分にあった目標額を設定するべきです。
年収300万円の人が釣りが趣味だからといってクルマを買って、毎週末遠くまで釣りをしにいくのは馬鹿げています。年収300万円の人が本を読むのが趣味だからといって、本屋さんで新品の本を大量に買いあさるのは馬鹿げています。
大事なのは自分に生活水準と収入とのバランスを見つけて、お金が増えていくという感覚を身につけることです。年に200万円も貯める必要はなくて、100万円でも50万円でもいいと思っています。
貯めたお金を投資に振り向けていけば、お金が働いてくれるようになります。
年収が300万円というと、仕事で特殊な知識やスキルを必要とするわけではありません。大概の仕事で達成することができます。
もしもこの生活でも仕事でストレスを抱えたり、思ったよりもお金が貯められずにストレスになるようであれば、おもいきって環境を変えてみた方がいいです。
ストレスがない方がお金は溜まりやすくなります。
300万円、500万円と貯めることができると1000万円までの道筋が見えてきます。ここまで貯めることに成功するとすでにノウハウが身についているため、焦ることがなくなります。時間があればあるほどお金が増えていくことが感覚として身につくからです。
逆に1000万円貯められない人は、1〜200万円に到達せず辞めていきます。
年収300万円、資産1000万円
年収300万円時代の戦略
年収300万円の人は頑張っていないのか?