電力株を業績回復株の投資の軸にする理由とIT企業よりも電力企業に投資した方がいい理由

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日本市場では独占企業でない限り成長し続けることは不可能です。

 

わたしは電力会社を業績回復株の軸にしています。持ち株の6割以上を電力株で保有していますが、電力企業はまず間違いなく地域独占企業です。

 

20年以上下落相場が続いている日本の株式市場において、上昇傾向にある株価を買い支える順張り投資では、利益を出すのは難しいです。日本全体の景気自体が成長していかないため、成長し続ける企業というのは限定的になるからです。

 

日本経済の少ないパイを取り合うために多くの企業が熾烈な戦いを続けています。

 

変化が激しいIT業界で5年連続成長を続けたからといって、その後の5年間も成長し続けられる保証はどこにもありません。

 

アマゾンやアップル、グーグルが長年成長を続けられるのは、世界をリードする国で成長を続ける世界の市場でビジネスをしているからです。同じような企業を日本市場では見つけることができません。

 

日本株で勝負する場合、勝負する銘柄はある程度決まってきます。それは現在のような問題を抱える電力株になります。

 

リスクの高いこのような企業に投資をするメリットはあります。問題を抱え株価を下げ続ける企業に投資をすると、含み損がどんどん積みあがっていきます。しかし株価が底を打ち反転を始めると、株価の増大と配当収入による急激に資産を増大することができます。


配当収入が得られる権利を格安で手に入れることになります。また、この過程で株価も上昇するためインカムゲインも得られるということです。

 

電力株に集中投資を決めたポイントで重要になるのは以下の3つです。

 

①ビジネスモデルが単純であること
②地域独占企業であること
③格安で配当権利を買えること

 

投資をする上で重要なのは安定して稼げるかどうか

 

まず投資をする上でとても重要な考え方があります。

 

以下2つのタイプの男性が居たら生涯を共にしたいと思うのはどちらでしょうか?

 

外見も内面も魅力的で話す内容は刺激的、とても頭が賢く将来はフリーランスとして生きていきたいと思っている人。

 

地味でサラリーマンで生計を立てている、そこまで良い給料ではないけど、真面目で仕事をサボらない。もしも務めている会社が倒産したとしても、また別の会社で文句ひとつ言わずに働いてくれる人。

 

自分がどちらの人生を歩みたいかと聞かれれば、わたしは間違いなく前者の人生を選択します。しかし、自分が女性でこの先結婚して子供も育てたいと思っていたら、選ぶ基準はガラリと変わってきます。

 

大学卒男性サラリーマンの生涯賃金は平均して2億5000万円あります。しかし、サラリーマンにならずに、自営業やフリーランスを選択した場合、生涯賃金が倍になる可能性もありますが、それ以上に5000万円ですら稼げない可能性があります。

 

頭が良いからといってたくさんお金を稼げるわけではありません。フリーランスの場合は常に収入が不安定になります。たとえ現在月に100万円稼いでいたとしても、来年は5万円でさえ稼げないかもしれません。

 

結婚して子育てしたい女性が期待することは、大きく稼げるかどうかではなくて安定してお金を稼いでくれるかどうかです。

 

株式投資をする場合も同様で、企業を選ぶ基準は長期的に安定して儲けられるかどうかが重要になってきます。

 

電力会社とはまさにこういう企業なのです。

 

流行り好きでIT企業を追いかける個人投資家も多いですが、少なくとも日本株では先を見越せないIT企業に投資をするのは辞めた方がいいです。たとえ今がよくても、5年後もいいとは限りません。それはグリーやDNA、ミクシィなどを見れば明らかです。

 

彼らがとても優秀で賢くても、変化が激しい業界で稼ぎ続けることは容易ではありません。

 

ビジネスモデルが単純であること

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電力会社のビジネスモデルというのは誰もが理解できるほど単純です。

 

海外から資源を安く仕入れる、仕入れた資源を電気に変換する、変換した電気を地域の家庭や企業に売る、たったこれだけです。資源が高くなれば、販売する電気料金を値上げし、反対に資源が安ければ電気料金を下げます。

 

これだけの単純なビジネスですが、他の企業はこの事業に参入することはできません。

 

理由は、電力会社は国営企業として昔からインフラを支えてきたため政府に優遇されている、電気を送るための発送電網を独占している、大量に海外から資源を購入するために規模が大きい企業が有利、国策である原子力発電の許可を得ている、こうした理由があるため他企業の参入は容易ではありません。

 

賢いから儲かるわけではない

 

わたしはIT企業に勤めていますが、IT業界は多くの職種や形態があり、またものすごい勢いで変化しています。IT業界にいると複雑怪奇な迷路の中にいるような感覚です。同業者だと思っても、まったくべつの仕事をしてる場合が多々あります。

 

この変化が激しい業界で、規模の小さい中小企業が生き残るのは容易ではありません。規模の小さい企業ははトップ1割が非常に優秀で会社を動かしていますが、彼らは常に最前線を走り続ける必要があります。

 

たえず更新し続ける技術的な情報をアップデートし、人気がないIT業界に新人を採用し社員を教育し続ける、プロジェクトを回しながら常に新しい仕事も取りに行く、価格競争に勝つために海外のエンジニアを活用する、これらのことを絶えず行っています。

 

トップに行けば行くほど時間はいくらあっても足りません。1年間フルで忙しいし、毎日遅くまで働き続けます。こういうことに耐えられる、かつ優秀な人たちが、昇格し会社を動かすようになります。

 

このような会社で収入を得るためには、従業員も絶えず頭をフル回転させて働き続ける必要があります。

 

こうした企業で働くと多くのことを学べるため、勤め先として探すのはいいのかもしれませんが、投資したい企業を探すのであれば、このような会社は意識して避けなければいけません。

 

業界全体が成長続ける環境であればいいのですが、そうでなければいずれどこかで限界がきます。早ければ来年にも稼げなくなります。業界が変化しなかったとしても、トップ1割に何か起きれば業績は悪化します。

 

彼らは常に働き続けているため、身体的に消耗しています。

 

外的要因もあります、同じような規模の会社でもっと優秀な人材、もっと忍耐力が強い集団が現れれば彼らに仕事を奪われることになります。

 

様々な複雑な事象が重なりあっているため、こうした企業の将来を予想することは100%不可能です。

 

ビジネスモデルが単純で、地域独占企業であるということは、こうした過度な競争を避けて利益を出すことができます。

 

IT企業に勤めながら電力会社の動向を追い始めて3年になりますが、彼らのビジネスモデルをみるたびに羨ましくなります。

 

震災後すべての電力会社の原発が停止したことにより、財務が急激に悪化しました。それと同時に大量の電力株が市場に売られます。

 

当初、将来計上するであろう損害賠償や廃炉費用に加えて、財務が悪化したことで電力会社の将来にだれもが希望を持てなくなったからです。原発停止によって収益が悪化したこで、多くの電力会社が3年連続で赤字に陥りました。

 

しかし、興味深いことに電力会社は原発を再稼働させることなしに、電気料金を上げるることで赤字から脱却します。

 

電気料金を上げるニュースが出るたびに、ネットのコメント欄は荒れました。これ以上電力会社の電気を使わない、普通の企業だったら潰れているなど。しかし彼らに電気を使わないという選択肢はありません。

 

新電力会社に乗り換えたとしても、かれらも既存の電力会社から電気を買っているにすぎません。

 

今回の原発事故は電力会社の地域独占企業であることを明白にしました。

 

格安で配当権利を買えること

 

多くの電力会社が財務を改善し配当金を復活するようになりました。

 

原発依存度が小さい会社はすでに原発事故前の水準まで戻しています。他の原発依存度が高い電力会社も徐々に配当金を上げています。原発を再稼働し、財務が安定してれば彼らも元の水準まで戻すことは容易に想像できます。

 

米国と比較して配当性向が低い日本企業で配当利回りが3%を超える企業は決して多くはありません。そう考えると割安に放置されている現在の電力株は配当を得られる権利を格安で購入することができるのです。

 

例えば東京電力の株価は現在400円で配当がゼロです。

 

10年後に元の水準2000円まで株価を戻し、配当利回りを3%に復活させた場合、100万円で購入した株価はキャピタルゲインで500万円、さらに100万円で買った銘柄が15万円の配当金を支払うようになります。

 

これは楽観的な予想ですが、配当収入とキャピタルゲインによる資産増大で2倍美味しい思いを味わうことができるのです。

 

投資を始めるためには口座開設から

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2016年度東京電力の決算

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2016年度九州電力の決算

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