若いうちからコツコツと投資を続けることで、複利を利用して資産を築くことができます。働く期間が短く経験が少ない以上は得られる勤労所得も少なく、お金を貯めることは難しくもあります。
年齢が若い20代のときにこの少ないお金を自己投資するか、それとも浪費して使うかで大きな分かれ道に立ちます。
お金の絶対値は変わりませんが、お金の価値感は人によってガラリと変わります。
新入社員時代に、大切なお金を専門書や語学や投資などの本を買って自己投資するために使うか、それとも自分が欲しいものに消費するかで180度違う人生になります。
月に2~3万円しか手元に残らないお金を、似たよりよったりの服や靴、時計につぎ込んでいる同僚をみて、この人は一生貧乏人として過ごすんだろうなと思いましたが、10年経ってみてやっぱり間違いなかったようです。
彼にとっての3万円と、わたしにとっての3万円は違っていたようです。
とくに収入が少ない若いうちに金銭感覚を身に着けておくことは重要です。苦労を味合わせるために、わざと子供に貧しい生活をさせる資産家の親もいます。
収入が少ない若者が人生をお金でつまずいてしまうのは以下4つのポイントがあります。
・ブランド物の服や時計に使ってしまう
・クルマを所有してしまう
・結婚式で散財する
・住宅ローンを借りる
[:contetns]
ブランド物の服や時計に使ってしまう
大半の人が学生を卒業すると働き始めます。最近は働かない若者が増えた時聞きますが、それでも全体に数パーセントもいないでしょう。多くの若者が働き始めます。
学生時代アルバイトをしていたとしても、月に貰える金額は多くても10万円程度です。真面目に学校に通う大学生の場合は、大概5~6万円くらいが相場ではないでしょうか。それが社会に出ると20万円近いお金がひと月に動くようになります。
このタイミングで気が大きくなり必要以上にお金を使ってしまう人は多いです。学生時代とは違い働いているという充実感と銀行貯金に振り込まれるお金を見て気持ちが高揚します。
わたしはラッキーなことに給料が安い会社に入社したことで、初任給をもらったときは危機感がありました。研修期間中はホテル住まいということもあり、宿泊費が給料から天引きされて、13万円程度でした。
ここから生活費を差し引いて、大学で払ったお金はいつペイできるのだろうかと。大学生のときは社会人になればお金は黙っていても溜まるものだと思っていましたが、どうやらそうではないことに社会人一年目から気付きました。
ここで振り込まれるお金だけをみてしまうと、財布のひもが一気に緩くなってしまいます。大学生のときは月3万円の時計が高いように思えても、20万円の収入があると考えると突然安く見えてしまうようです。
わたしが最初に勤めた会社は、あきらかに給料が安かったのですが、クレジットカードで欲しいものを買う同僚をみて、毎月一定額振り込まれるのって怖いなと思いました。
社会出た最初の一年で今後の人生を大きく左右します。
10個近い先輩社員は、お酒を飲みに行くたびに独身時代にクレジットカードの翌月返済のせいで毎月お金がなかったと言っていました。
収入が少ないサラリーマンほど欲望を抑えることができないんだなと、そのときはしみじみと思いました。
クルマを所有してしまう
都会に住んでいるとクルマを所有するのは、高収入を稼ぐサラリーマンか金融リテラシーが極端に低いかのどちらかになりますが、地方に住む場合クルマは生活必需品になります。
クルマがないと生活できない地方でも暮らしていたことがあるので、その実情はよくわかります。地方ではどのクルマを持っているかが、その人の社会的なステータスになるからです。
地方に住むと物価が安いという大きなメリットがあります。たとえば東京と同じような間取りの1Kに住んでも、地方では3分の1程度で住めます。地方に住めばお金が貯まるのかと聞かれると、意外とそんなことはありません。
物価が安い分クルマに消費してしまうためトントンになります。
社会に出た頃は安い軽自動車を買いますが、5年も働き続けると新車の普通車を買うようになります。20代後半で中古の軽自動車に乗っていると、社会的に地位の低い仕事をしていると思われるからです。
社会に出て5年も経つと貯金額が多い人で300万円貯めることができますが、新車を購入してしまうと2~300万円の出費になるため、またゼロからスタートします。クルマは購入する金額以上に維持費が高いため、資産を築くペースも鈍化します。
都会に住む人にはわからない感覚かもしれませんが、地方ではローンを組んで新車を購入する人も結構な割合でいます。
20歳後半で地方に住んでクルマのない生活を送っていたのですが、仲良くなった新人社員に月に3~5万円払えば、クルマなんてすぐ買えますよとアドバイスされたことがあります。
そういう考えだといつまでたっても貧乏を脱出できないよ、心の中で思ってしまうのですが。さすがに口に出しては言わないようにしています。
結婚式で散財する
20代若手でブランドのスーツや時計を買い、地方ではクルマを買い、そうなると次にくるのは結婚式という大きなイベントでお金を失います。
ブランド品やクルマと同様に、結婚資金も人によって出費金額が大きく変わります。
ある人はお金があっても結婚式を挙げない、お金がなくて結婚式が挙げられない、お金がなくても盛大に結婚式を挙げる、など金銭感覚が如実に現れてきます。
1社目に勤めていたころ10歳上の会社の先輩は、お金がなくて結婚式を挙げることを諦めていました。会社の給料も少なく、子供も生まれるため、これから先お金が必要になるからです。奥さんに頭が上がらず可哀そうだなと思いました。そう思う一方で、当時新入社員だったわたしは、この会社からは早目に離れた方がいいなと危機感が湧いてきました。
その一方でお金がなくても盛大に結婚式にお金を使う人もいます。
大学時代からの知り合いで先日結婚式を挙げた友人がいましたが、東京の一等地で豪華な結婚式を挙げました。はたからみても、収入に見合っていないことは明らかです。
3次会で式に参加した友人が、式場でいくら掛かったのか尋ねたところ、300万円だと言っていました、そして足りない分はご祝儀で出す後払い制ということです。
結婚式に300万円ということにも驚きますが、夫婦2人合わせて資金が300万円もないのに300万円の結婚式を挙げたということにも驚きます。人によってどうお金を使うかは当然自由なのですが、わたしならこのお金があれば1年間夫婦2人で世界一周の旅にでます。一晩で300万円か、1年かけて300万円か、、つくづくお金は不思議だと思ってしまいます。
最近だとブライダルビジネスでは後払い制というのがあり、足りない分は結婚式後に支払いを済ませるカップルも多いようです。期待よりも少なかったらどうするのかというのは気になるところですが。
祝儀で元がとれるからと、自分たちの収入に見合わない豪華な結婚式を挙げる人は珍しくないようです。気になってネットで調べてみると、似たようなプランがたくさん見つかりました。
結婚式で必要以上にお金を使ってしまう人は、主催する側の「一生に一度だけ」という言葉に弱いだけな気がしてなりません。経済的に余裕がないという理由で式を遠慮する人は多いので、ビジネスを仕掛ける側も必死です。
普通のサラリーマン家庭が、これから一緒に生活していこうというだけで、一晩で300万円も消費するのは、馬鹿げているというのが正直なところです。
身内に挨拶するために豪華な式を挙げる必要はないし、やらなくても困らないものはやらないに越したことはありません。せめて自分たちが払えるお金で式を挙げるべきだし、今後のことを考えたら安いに越したことはありません。
実はこの友人は、大学時代からお金には疎い方で、借りた奨学金で一人暮らしのアパートや分不相応のクルマやバイクを所有していました。
先日別の大学時代の友人の結婚式に参加しましたが、その友人は田舎で質素な結婚式を挙げていました。この友人は奨学金を借りても、それには手を付けずバイトで稼いだお金で格安の大学寮に住んでいました。
若いときに身に付いたお金の価値観というのは、大人になってからも変わらないんだなと実感しました。
結婚式の祝儀は高すぎる
結婚式のお祝儀の相場が3万円というのも高すぎます。
友人の結婚式を祝いたいという気持ちはあるのですが、ご祝儀で3万円、交通費に宿泊代に、2次会に3次会、多いときで6万円程度消費するときがあります。
結婚式は20代後半に集中するため、呼ばれてうれしい反面、またかという気持ちになります。
年に5回も6回も呼ばれたら、無視できない出費になります。
祝儀3万円は相場だと聞きますが、円の価値は減価しているため昔から3万円ではないはずです。バブルの時代に結婚式の相場が3万円になったのかは知りませんが、現状に合っていないのかなと思ってしまいます。
したたかなブライダルビジネスに乗せられているのかなという気持ちもなくはありません。
よほど気の知れた知人以外は、参加をお断りした方が賢明な気がしてなりません。
住宅ローンを借りる
ブランド物が好き、クルマのためにお金を使う、豪華な結婚式を挙げる、そうなると最後に来る人生で最もムダな消費は住宅となります。
若いうちにお金の価値観を学んでこないと、やはり最終的には分不相応な借金を背負うことにあります。住むための住まいに35年ローンを組むというのは、普通の感覚ではないような気さえしてしまいます。
5年先の事すら読めないのに、平凡なサラリーマンが35年先のことを考えて借金をするというのは、非常に理解しがたい行為です。一種の宗教なのかなという気さえしてしまいます。
最後の住宅ローンにたどり着くために、不必要に買い物をして欲求が抑えられなくなり、クルマの維持費で生活費が高騰するのに慣れて、無駄に高い結婚式で金銭感覚を麻痺させた人たちが、最終的にたどり着く道なのではないかなと思ってしまいます。
年収500万円台の平均住宅ローン借入額は3000万円ですが、これを金利2%で借りて35年で返済すると1100万円もの返済利息が生じます。
3000万円を3%の配当銘柄に投資すると年間90万円手にするし、2%の運用で回すと翌年は60万円資産が増えます。
これを得る機会を諦めて、35年間かけて4100万円もの返済を行うのです。この期間に固定資産税や修繕費が掛かることを忘れてはいけません。
お金が掛からない生活
このように社会に出て最初の1年というのは、その後の金銭感覚のベースとなるので非常に貴重な期間を過ごすことになります。
年齢が若い以上は得られる収入が少ないことは仕方ないのですが、少ない収入をどう使うかで人生は変わってきます。欲望を満たすための消耗品にお金を費やしても、そのときは幸せな気分を得られたとしても、数日も経てばなにも感じなくなります。
20代のうちから質素に生活し、クルマや住宅のために借金をしない、結婚式に身の丈にあったお金を使う、余った余剰資金は投資に回す、これだけでお金というのは自然に増えてきます。
100万円を年利5%で運用すると35年後には、9000万円を超えます。若いときの100万円はそれだけ価値があるということです。