ウオーレン・バフェット
「所有している株式の価値がたとえ50%下落しても、パニックに陥られないでいなければ、株式投資に参加する資格はない」
株式投資の世界では、持ち株が50%下がることはそれほど珍しいことではありません。リーマンショックの時には、市場平均でさえ50%下がりました。
もしも、50%下がることが怖いのであれば、投資をするべきではないと思っています。しかし、投資をしなければ、平均的なサラリーマンがお金持ちになれないのも、また事実です。
株式市場では50%下がることもあり得ると覚悟して、是非投資を楽しんでもらいたいと思っています。
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まずは順張り投資か、逆張り投資か?
上げ相場と下げ相場、どちらが好きですか?と聞かれたら、多くの方は上げ相場と答えるかもしれません。
しかし株式投資で成功したいのなら、下げ相場を好きになる必要があります。100年に1度の金融危機と呼ばれるリーマンショックのときには、米国株も日本株も50%近く暴落しました。
多くの短期投資家を強制退場させたリーマンショックですが、しかしその陰で危機の2~3年後には多くの長期投資家をお金持ちにしています。
効率よく資産を増やすためには、「逆張り投資+長期投資」とういのは王道です。資産が増えてくると、資産を増やすことではなく、防衛することが焦点になるため、手法はまた違ってきます。
順張り投資とは、株価が上昇トレンドにあるときに買い、株価が下落トレンドにあるときに売る、株価の方向に合わせて売買する手法を指します。
逆張り投資とは、株価が急落したときに買い、株価の方向と逆で売買する手法のことを指します。
順張り投資と逆張り投資は、それぞれメリットとデメリットがあります。私の考えは、順張り投資家で行くのなら、成長を続ける米国株に投資する、日本株で勝負するのなら、逆張り投資を選択するべきです。
また、ある程度資産が多いなら順張り投資、資産が少ないうちは逆張り投資で勝負をするべきです。
個人投資家をみると、順張り投資の手法を取る投資家が圧倒的に多いように感じます。
2013、14年のアベノミクスで多くの投資家が参入し、2008年のようなリーマンショックのときに、多くの個人投資家が大損して市場から消えていきます。
順張り投資のデメリットは、市場が上昇トレンドのときに、周囲と同じようにそこそこ資産を増やすことに成功しますが、市場が下降トレンドに入った時に、周囲と同じように大損します。
投資家として成功したいのであれば、下降トレンドにこそ、持ち株を増やしていく必要があります。
市場が暴落すると多くの個人投資家が消えていく理由
投資とは、本質を突き詰めていくと「安いときに買って、高いときに売る」ですが、意外とこのルールを守れる人は多くありません。
その理由は、投資の初心者ほど、市場が暴落するという前提に立って投資をしていないからです。
多くの方が投資を始める理由は、株で儲かったという話を周囲に聞いて、よし私もやってみよう!と思うからです。
アベノミクスが始まった当初は、株価が上がると聞いても多くの方は疑心暗鬼です。皆2008年に市場で何が起きたか知っています。どうせまた下がって損をすると、警戒心を抱く方は少なくありません。
しかし、アベノミクスから2~3年経つと、本屋に行けば株で儲かる、株で儲けてサラリーマンを辞めた、テレビを付ければ、株で1億円儲けた、株で儲けたお金で家を買ったという特集が組まれるようになります。
職場の同僚や友人でさえ、株が2倍になったとか3倍になったという話を、"直接"聞くようになります。そして、よしそれなら私にもできる!となります。このころには、2008年の苦い記憶は、より薄れてきます。
→この時に参入する投資家は、みな順張り投資です
暴落は7~8年に1度はやってくる生理現象のようなものなので、必ずやってきます。市場が暴落し、個別銘柄が50%下落、必ず儲かると聞いて100万円かけたのに50万円になった、信用取引をして全財産が吹っ飛んだ、もう株はやりたくないと言って、格安で株を手放していきます。
実はこのときに、逆張り投資家は彼らが手放した銘柄を格安で拾っていきます。
順張り投資家が市場から退場するのは、「必ず儲かるから」という思い込みで市場に参入してくるからです。
金融危機が発生して、下降トレンドに入ると物凄い勢いで個別銘柄は下がっていきます。1日に10~20%も暴落すると、明日はもっと下がるんじゃないかと心配になり、夜も眠れなくなります。
一度こういう心理状態に陥ってしまうと、仕事も手につかず、正しい判断ができなくなります。そして持ち株を手放すころには、それが底値だったというのは、よく聞く話です。
あらかじめ、市場は暴落するという前提に立っていると、それほど怖い事はありません。市場が上昇トレンドのときは、現金比率を増やし、下降トレンドに入ったときに買い進めれば、効率よく資産を増やすことに成功します。
ITバブルが崩壊した2001年や、リーマンショックで世界的な金融危機の2008年は、逆張り投資家にとってはお金持ちになるためのゴールデンタイムになります。
株の初心者は順張り投資が好き
株式投資を始めようと思っている同僚と飲みに行くときに、よく株の話をしますが、どの銘柄がいい?と聞くと、決まってすでに値上がりしている銘柄を上げてきます。
上昇トレンドが7~8年続き、すでに高値の水準まで上がっている銘柄です。
この企業がどれだけ良い企業かどうかを素人目線で力説されますが、ちょっと焦点がずれているように感じます。たしかに良い企業なんだとは思いますが。
(もちろんバフェットが探すような、ビジネスの優位性を持つ超優良企業ではありません)
株を始めたときに初心者が陥りやすい罠は、「儲けることができる企業」ではなくて、「良い企業」を探します。投資家として成功したいのであれば、良い企業に投資するのではなく、自分が儲けられる企業に投資する必要があります。
単に良い企業を探していくと、すでに株価は上昇して割高になった順張り投資です。
順張り長期投資で勝負するのなら米国投資の方が良い
投資の世界は奥が深いので、必ずしも逆張り投資家がいいというわけではありませんが、資金の少ない初心者が投資を始めるのであれば、逆張り投資がいいと思っています。大衆と同じやり方をしても、お金を稼ぐ事はできません。
そして資産が増えてくると、また戦略も違ってきます。
単純に資産を増やそうという目的からは、資産を守るという発想に代わっていくからです。
また、順張り+長期投資で勝負したいのなら、日本株よりも米国株で勝負した方がいいです。今後も経済成長が見込めない日本株で、長期の順張り投資は割に合わないからです。