本屋の投資コーナーに行くと、こういうタイトルの本がズラリと並びます。
「低位株、10万円から初めて5割高狙い」
「目指せ10倍、低位株投資」
「個人投資家が勝てる低位株投資、3倍高と高配当」
「10倍儲かる低位株投資術」
そろそろ、こういう安易な方法でお金を稼ごうと考えるのは辞めませんか?
ハッキリ言ってしまうと低位株を目指して投資をしても、お金持ちになることはまずあり得ません。
短期的に成功して小金を稼ぐ方はいます、しかし、ギャンブルに近いやり方なのでずっと勝ち続けるということはありえません。
世界的に有名な投資家たとえば、ウオーレン・バフェットやピーター・リンチなど、投資だけで巨万の富を築いた方がたくさんいますが、低位株を勧めるような投資家はいたでしょうか?
身の回りの人でこの方法で、お金持ちになった人を知っていますか?この類の本で、ベストセラーになった本を知っていますか?
恐らくこの答えはノーです。
投資の世界でお金を稼ぎたいのであれば、難しく考える必要は一切なく王道と呼ばれるやり方に徹するのが一番です。
それ以外の方法は、あなたにその情報を提供することで、儲かる人がたくさんいるから存在するだけです。
①新しく発見された儲かるかもしれない方法、②成功者たちによって儲かることがすでに証明されている方法、後者を選択するべきなのは考える必要もないくらいシンプルで簡単な問いです。
②の方法は割安になった銘柄を長期前提で持ち続けるやり方です。低位株やボロ株は、長期保有に向いていない銘柄です。
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なぜ、低位株やボロ株がだめなのか
低位株がなぜダメかというと単純にリスクが高いからです。
もちろんリスクが高い割に、それに見合ったリターンがあればいいのですが、実際にはそれほど高くはありません。
もちろん大型株なら絶対に安心です、というわけではありません。
わたしは、大型株=大企業、低位株=中小企業、ボロ株=ベンチャーのようなものだと考えています。
→実際にはそういうわけではありませんが。
わたしは中小企業で働く平凡なサラリーマンですが、大企業と中小企業(ベンチャー)、どちらに投資したいですか?と聞かれたら、間違いなく大企業を選択します。
なぜ大企業に投資するべきなのか?
大企業は大なり小なり、まず間違いなく「儲かる仕組み」を持っています。
コカ・コーラであればコーラの作り方だし、日本のトヨタであれば自動車を作れる技術だし、シャープや東芝は電化製品を作れる技術、電力会社であれば電気を創る技術とそれを市民に配る権利が、儲かる仕組みにあたります。
極端な話この儲かる仕組みがあるからこそ、社員はそれほど優秀な人材を求めていません。どちらかというと、長く勤めてくれる安定志向な人材を求めています。途中で辞められた方がデメリットが大きいからです。
もちろん、トップの人材(経営層)は優秀さが求められるので、大金をはたいてでも外から超優秀な人材を獲得します。優秀な人材が社員に集まらなくても、会社が成り立つのは「儲かる仕組み」があるからです。
たいして中小企業は投資対象になるのか?
対して中小企業は、「儲かる仕組み」というのを持っていません。
これを持っていれば、大企業のように事業を大きくするチャンスもあるし、メーカーの下請けに甘んじる必要もありません。これがないからこそ中小企業は中小企業なのです。
中小企業が何で成り立っているのかというと、一部の超優秀なキーマンがいるおかげです。その数名のキーマンが病気や転職などで抜けると、どれだけ経営が順調にいっていても一寸先は突如闇になります。
こういう情報は、決算書をいくら読み込んでも、外から見ることはできません。状況は一瞬で変わります。
わたしが勤めている会社も、非常に優秀な方が部署の指揮を執っています。その人の下に2~3人のキーマンがいます。
売上げは毎年順調に増加し、利益率も業界内ではびっくりするほど高いです。おかげでわたしの給料も、年々上昇しています。
しかし、トップ1人が抜けただけで状況は一変します。
突然退職するということは、可能性としては低いのかもしれませんが、人間歳を重ねるといつ身体を壊してもおかしくはありません。こればかりはどうしようもありません。
そういう事態になると、来季の売り上げは突然半分になる可能性も否定はできません。
中小企業で新しい優秀な人材が育つには、何年先になるかわかりません。そのころには、倒産している可能性もあります。
大企業であれば、そういう心配はまず皆無でしょう。
仮に経営に失敗して赤字になった場合も、儲かる仕組みがある限りは、積極的に社員をリストラして利益を確保してほしいと思っています。
わたしも以前は低位株を保有していた
大きく値下がりした株を買い、キャピタルゲインを得る投資法なので、以前は低位株も保有していました。
やはり、値動きが大きい低位株は魅力的に見えます。チャートをみると10倍株も夢ではないなと思えてきそうです。
あるとき、株価が暴騰して2週間くらいで3倍近くになりました。その後はすぐに元の値に戻しています。運が良ければ、3倍稼いで売り抜けることができたのかもしれません。
しかしこのことがきっかけで、毎年のように経営が赤字で、この先どうなるかわからないような低位株(ボロ株)に、一生懸命稼いだ大切なお金を投資したいなと思う気持ちはなくなりました。
→低位株で10倍株を狙いにいくとうことは、赤字が数年続いているケースが多いです。
中小企業で赤字だということは、儲かる仕組みがない、且つ優秀な人材がいない場合です。空から突然優秀な人材が降ってきて、翌年から突然稼げるようになるという可能性は非常に稀です。
投資にギャンブルを求めるのは辞めましょう
投資をしていると、こういうギャンブル的な投資法に食いついてしまう人は後を絶ちません。
こう考えてみればどうでしょうか。
100人用の宝くじを買って1つが当たりだとします。100人に1人は必ず当たります。
すると宝くじが発表されると、マスコミは当たった1人にインタビューします。
この当選者が毎朝神社でお参りをしていたというと、その神社に人が殺到します。朝ジョギングをしていたということ、マネをする人がたくさん出てきます。
そのうちこの当選者は、宝くじに当たるテクニック本を書き始めます。
しかし、100人いれば必ず1人は当たることを忘れてはいけません。
この当選者はたまたま、当たったにすぎません。1000人に1人、1万に1人だと余計重宝されます。しかし、確率が低くても当たる人は必ずいます。
それは個人の能力には一切関係ありません。
低位株で実際に成功している人がどれくらいいて、どれくらい失敗しているのかが重要です。
難しいテクニックを習得する必要は一切なく、単純に投資の王道を突き進んだ方が資産を築くのは一番の近道です。